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2025年、売れるスイーツの条件——素材トレンドから読み解く“次の一手”

BAKERY PARTNERタブ、パティスリータブの記事。2025年、売れるスイーツの条件——素材トレンドから読み解く“次の一手”のサムネイル

甘く香る生地、濃厚でしっとりとしたクリーム、自然な果実の甘み──。かつては“味”だけで勝負できたスイーツの世界は、今や「素材としての個性」が評価を分ける舞台になっている。2025年、全国のパティスリーで「売れるスイーツ」を生み出すために必要な条件とは何か。

本記事では、スイーツ トレンド 2025 の最前線を背景に、「素材トレンド」を切り口にしてヒット商品の構造を読み解く。果実、発酵、茶、植物性代替素材──それぞれの強みや可能性を探りつつ、どう生かすかを“職人視点”で考える。さらに、素材だけではなく食感・構成・マーケティングの組み合わせによって、消費者の心をつかむ“次の一手”を提示する。

素材にこだわることは、単なる品質向上ではない。情報発信の軸にもなり、差別化戦略の芯にもなる武器だ。あなたのお店にこそ取り入れられる素材のヒントと、実践可能なアイデアを、お届けしたい。

いろいろなケーキのイラスト

「なんだか映える素材」がトレンドの主役に

今年、スイーツ界でひそかに目立ち始めているのは、「素材そのものが主役になる」流れだ。色・食感・香りで“映える”要素を持つ素材が、InstagramやTikTokで拡散され、「これは見た目がいいな」「この味、ちょっと新しいな」と感じさせるスイーツに使われやすくなっている。

例えば、青色を出す天然素材(バタフライピー、藍、ブルーキュラソーなど)が、夏のスイーツで注目を浴びているという話も聞く。青い見た目は珍しさゆえに視線を呼び、“涼しさ”の連想も加点要素になる。実際に「青いスイーツ」企画を出しているメディアも増えてきている。

いろいろなスイーツのイラスト

また、健康意識の高まりから、低糖質・植物性素材・発酵素材への関心も強まっている。アメリカの市場データなどから、低糖質や植物性素材を重視する動きが顕著になっており、日本でも同様の傾向が見えるという分析も出ている。

「何が売れてるか」から見えるヒット傾向

では、実際に“どのくらい売れてるか”はどうか?
日本の「スーパー・コンビニスイーツ白書2025」から見える数字をひもとくと、面白い傾向が浮かび上がる。

購入場所ではやはり「スーパー」が1位(59.5%)で、次がコンビニ(51.4%)、専門店は21.6%。

人気スイーツの上位には「シュークリーム」「プリン」「ロールケーキ」「エクレア」「ワッフル」など、定番が並ぶ。

食感の好みでは「なめらかな」が最多(37.8%)。次が「ふわふわ」「もっちり」。注目すべきは、「もっちり」が昨年より急上昇していること。

つまり、「見た目素材トレンド」を意識しつつも、スイーツの基本要素(なめらかさ、親しみある定番デザインなど)を壊しすぎないことが、売れるスイーツの条件の一端、という仮説が立つ。

さらに、メディアやレストラン系マーケティングの領域で、「和×異素材」「韓国トレンド」といった文化融合型素材の影響も増している。たとえば、韓国で人気になったスイーツが日本に波及し、素材や見た目がローカライズされて注目を集める例も多い。

注目すべき素材テーマ3つ:実力・見せどころ・使いどころ

ここからは、2025年のスイーツで特に耳を傾けたい素材テーマを3つ挙げてみる。

1. 発酵・発酵派生素材(ヨーグルト・発酵クリームなど)

発酵というキーワードは、素材に“奥行き”や“旨み”を与えられる強みがある。最近ではヨーグルト系、特に「グリークヨーグルト(ギリシャ式水切りヨーグルト)」の人気が高まっており、調査によれば、2025年の流行予測で10代女子が選ぶ「流行りそうなスイーツ」第1位に上がっている

ヨーグルトを使ったスイーツは、酸味・乳酸風味・ねっとり感を素材の個性として発揮できる。そのまま使うのもいいし、発酵由来の風味を持つ素材(発酵クリーム、発酵バターなど)を併用するアプローチも考えられる。

2. 植物由来・代替素材(ナッツミルク・植物性クリームなど)

乳製品アレルギー、ヴィーガン需要、健康意識の広がりを背景に、植物性素材のポテンシャルも上昇している。たとえばアーモンドミルク、オーツミルク、ココナッツベースのクリームなど。これらは味・風味・食感でチャレンジがあるけれど、「乳製品じゃないけどスイーツらしい満足感」を与えられたら差別化になる余地がある。

また、植物素材には香ばしさ・コク・テクスチャー変化の要素がある(たとえばナッツの粉を使った層素材、豆由来のタンパク質利用など)。“代替”を前提にせず、「素材の個性を活かす視点」で使うのが鍵。

3. 鮮やか色・ビジュアル素材(青・紫・彩り系)

いろいろなケーキのイラスト

前述の“青いスイーツ”の動きは、見た目訴求と素材の物語性の両立例として興味深い。バタフライピーや藍・紫芋系、あるいは天然植物色素を使う素材は、「映える色味を出す素材」として注目されている。

ただし、色だけを追うと味かバランスを犠牲にするリスクもあるので、「色の素材性」+「味・食感への還元」ができるかどうかが腕の見せどころだ。

素材×構成のコツ

素材だけ持ってきてもスイーツは未完成。以下の点を押さえると、ぐっと“ヒットの匂い”が出る。

たとえば、発酵クリーム × 青色素材 × ザクザクナッツ層 のような“味・色・食感”を掛け合わせたハイブリッドな構造は、商品化すれば話題性のスパイスになる可能性を秘めている。

まとめ:次の一手を切るために、職人ができること

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さて、ここまで見てきたけれど、実際に「次の一手」を切るにはどう動くか?簡単なステップを提案する。

🍰素材候補リストを複数持つ
 発酵素材・植物由来素材・色素材の中から、自分の店で試作できそうな3〜5種類を選ぶ。

🍰小ロット試作 → 味・見た目・食感評価
 試作品をスタッフ・一部常連に食べてもらってフィードバックを取る。

🍰発信を前提に考える
 素材のストーリー(産地、製法)や見た目の工夫を、“投稿できる”レベルで整える。

🍰季節商品や限定で投入
 全商品を変えるのはハードルが高いので、季節限定や短期間のコラボ商品で反応を見る。

🍰改善・定番化への道筋を描く
 反応を見ながらブラッシュアップし、定番への昇格を検討。

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