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陳列とレイアウトで導く「買いたい!」の流れ

陳列とレイアウトで導く「買いたい!」の流れ

陳列とレイアウトで導く「買いたい!」の流れ

パン屋の店内を“お客様が自然と手を伸ばす”空間に変えるには、商品の配置・動線・視認性を意図的に設計することがカギです。味・品質の自信があるなら、次に「どう見せるか・どう回ってもらうか」に注力しましょう。ここでは、3つのゾーン(入り口・店舗中央・奥)に分けて、実践的なチェックポイントを整理します。

① 入り口付近:最初の1秒で「おっ!」と目を引く

来店したお客様がまず通る“入り口付近”は、パン屋にとって最も重要な“一等地”です。ここを有効活用することで、来店直後から購買モードにスイッチを入れられます。

🥐売れ筋商品や季節限定品を配置:来店直後に「これが売れてるんだ」「今だけ感」が伝わる商品群を置きます。

🥐焼きたてのパンを並べる&香り演出:焼き立てならではの香りや見た目を入口近くで演出すると、通りすがりの興味を引きやすいです。

🥐動線確保:入り口からすぐに商品が並びすぎていると圧迫感が出るため、通路を十分に確保し“自然に目線が商品に向かう”ようにします。

🥐視線・高さ設計:目線より少し下〜目線位置に人気商品を配置することで、手を伸ばしやすくなります。

このゾーンで「期待感」を植え付けられると、滞在時間も延び、次のゾーンへもスムーズに誘導できます。

② 店舗中央:探しやすく、思わず手に取る配置を

店内中央は“商品を選び始める”エリアです。ここではカテゴリー分けと小さな“動き”や“発見”が生まれる工夫が重要です。

🥐カテゴリーごとにグループ化:惣菜パン、菓子パン、食パンなど、目的別にまとまっているとお客様が自分の「買いたいパン」を見つけやすくなります。

🥐各コーナーの“見せ場”を設ける:例えば「このコーナーの人気TOP3」を中央手前に配置し、その他のパンはその周辺に配するなど、小さな“誘導”を作ります。

🥐動線を“迷わせず”“発見させる”:通路は広すぎず、適度な“曲がり”や“奥へ向かう視線誘導”を設けることで回遊を促します。

🥐照明/見せ方を工夫:パンの焼き色・ツヤが活きるように、棚照明や角度調整を検討すると「美味しそう」に見え、手を伸ばしやすくなるという研究もあります。


この中央ゾーンで、お客様が“選びながら回る”体験を心地よく設計すれば、ついで買いや滞留時間が増え、客単価向上にも繋がります。

③ 店舗奥:定番+“もう1つ”を狙う最後の仕掛け

“目的買い”で来たお客様(例えば「食パンだけ買おう」)でも、店舗奥まで誘導する配置には価値があります。奥がラストチャンスになることも多いからです。

🥐定番商品(食パンなど)は奥に配置:通り道で他の商品を目にしてもらいながら、目的の食パンに到達することで“ついで買い”を誘発します。

🥐奥から通路を戻る動線を設ける:奥に来たお客様が帰り道にも別の商品をチェックできるよう、棚組みや什器の並び替えを検討すると効果的です。

🥐店内奥を“魅せ場”に:奥が薄暗かったり商品が詰まり過ぎていたりすると滞留しづらいです。照明や通路幅、什器高さを調整し、奥にも“入りやすさ”・“見つけやすさ”を演出しましょう。

🥐レジ手前に“追加買い”ができる小物やクロスセル商品を配置:お会計前の“もう1つ”を掴むチャンスを活かせます。

この奥ゾーンを単なる「目的商品置き場」にせず、“店内を一巡させて最後にもう一押し”をかけられるよう設計すれば、売上構造が変わってきます。

■ 現場チェックリスト:3つのポイントで振り返り

❶視線誘導&動線はスムーズか?
 ・入口から奥まで、どのようにお客様が動くか描けますか?
 ・通路幅、什器の配置、高さ・奥行きを見直しましたか?

❷“発見”と“選びやすさ”を演出できているか?
 ・各コーナーに導線・POP・見せ場の“入り口”が設けられていますか?
 ・照明や目線高さ、什器の間隔などからパンが美味しそうに見える配慮がありますか?

❸最後の“もう1つ”を狙った誘導ができているか?
 ・奥の配置だけで終わらず、戻り動線や会計前の配置で“買い忘れさせない”仕掛けがありますか?
 ・目的買い客にも別商品を手に取るきっかけがありますか?

■ 終わりに:見せ方が変われば「買いたい!」が変わる

味・素材・製法にこだわるパン屋の皆さんだからこそ、その良さが映える“見せ方”にも同じだけこだわりたいところです。レイアウトを整え、動線を設計し、視線を誘導する。こうした視点の積み重ねが、「売れてるパン屋さん」の店内設計を生み出します。

現場で時間が取れない中でも、まずは“入口・中央・奥”の3ゾーンを振り返り、それぞれの「お客様の動き・視線・選びやすさ」を意識して改善してみてください。意図的な配置を1つ加えるだけで、お客様の手が伸びる回数は確実に増えていきます。

陳列とレイアウトで導く「買いたい!」の流れ

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