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ロスか集客か?少量仕込みに宿る知恵

1商品あたり平均10個前後 ― 多品種少量が生み出す“選ぶ楽しさ”

パン屋にとって「1商品を何個仕込むか」は、日々のオペレーションと売上を大きく左右する要素です。

今回、40名のオーナー・従業員にアンケートを実施したところ、最も多かったのは「5〜9個」仕込み(21人)。
次いで「10〜19個」(8人)、「5個未満」(7人)と続き、全体の8割以上が20個未満で仕込んでいることがわかりました。

つまり、多くのパン屋は「少量多品種」を基本戦略にしているのです。

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ロス覚悟でも「並べる楽しさ」を重視

アンケートでは「改善の余地あり」と答えた人が19人と半数近くにのぼりました。
その理由として多く挙がったのは「ロスはあるが、種類を揃えることで来店動機につながる」という声です。

実際、消費者調査(日本フードサービス協会資料)でも「パン屋に行く理由」の上位に「種類の多さ」「選ぶ楽しさ」が挙がっています。

「5個未満」の隠れた意味

「5個未満」と答えたのは7名。理由を聞くと「余りの生地で作る」「常連客のため」「季節商品」といった答えが目立ちました。
つまり超少量の商品は、“利益の柱”ではなく“お客様との関係作り”の役割を果たしていると言えます。

東京都の某人気店でも、試作や限定販売を通じて固定ファンを増やす戦略をとっており、小ロット商品がファンマーケティングにつながっている好例です。

規模による「仕込み数」の違い

一方で、30個以上仕込むと答えた店は少数(4名)にとどまりました。
こうしたケースは、大型店舗や駅前立地、イートイン併設など販売数が見込める環境に多いと考えられます。

街中の小規模店は少量多品種で「選ぶ楽しさ」を、規模の大きな店はある程度のロットで「安定した販売」を、それぞれ戦略的に実践している姿が浮き彫りになりました。

まとめ

ロスを恐れず種類を揃えることで得られる“選ぶ楽しさ”は、来店動機の核心。
さらに「5個未満」のような超少量商品が、ファンづくりや常連客との絆を生んでいます。

規模や立地によって仕込み数は異なりますが、自店にとっての「最適な1アイテムあたり仕込み数」を改めて見直すことが、経営改善と集客の両立に直結すると言えそうです。

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