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[主婦特集]コスト上昇の現実と主婦の購入傾向を分析

[主婦特集]コスト上昇の現実と 主婦の購入傾向を分析

[主婦特集]コスト上昇の現実と主婦の購入傾向を分析

いま必要なのは「値上げする」ではなく、納得される形に整える、お客様の満足値を超えることなのかも知れません。

本特集では、1,292 人の女性にアンケートを行い、月に1 回以上洋菓子店を利用すると答えた243 人に追跡調査を行いました。

主婦の購入傾向と値上げへの受け止め方をデータで可視化し、値上げ後も選ばれ続ける条件と、価格改定の組み立て方を整理します。

原材料も人件費も上がる時代、目を背けられないコストの現実

原材料の高騰に加え、人件費の下限も上がり続けています。

いま起きているのは、複数コストが同時に利益を削る状況。何が、どれだけ変わったのかを整理します。

カカオは急、乳原料はじわじわ。どちらも価格は戻りにくい。

[賃上げ傾向]
物価高で据え置きが難しく、人手不足で採用・定着のために上げざるを得ない。

さらに周辺相場の上昇と国の引き上げ方針が追い風になり、賃上げは“前提”になっている。

「どれか1つ」ではない コストは同時に上がっている

ここ数年、洋菓子店を取り巻く環境は「どれか一つが上がった」という話ではなくなりました。

材料、労務――複数のコストが同時に利益を削り、値決めの難易度そのものが変わっています。

まず原材料。貿易統計から、月ごとの輸入単価(1kg あたり)を追うと、調達コストの圧力は明確です。

カカオ豆は2021年平均が約346円/kg だったのに対し、2025年平均は約1,440円/kg へ。約4.2倍という水準まで跳ね上がりました。

バターも2021年平均約600円/kg から2025年平均約1,231円/kg へと約2倍。カカオほど急角度ではないものの、じわじわと高水準へ移行していることが分かります。

ただし、この〝輸入単価〞がそのまま店頭価格や業務用原価に即座に反映されるわけではありません。在庫の持ち方、調達契約、メーカー・卸の改定タイミングなどが挟まり、反映には数か月〜1年程度の遅れが出るのが一般的です。

値上げ幅も一律ではなく、基本は「原料比率×上昇率×転嫁率」で決まります。チョコ比率が高い商品ほど影響は大きく、反対にサイズや配合、アイテム構成の見直しで吸収余地が残る商品もある。つまり今は、「上がったから上げる」ではなく、素材の上振れを前提に〝どこを守って、どこを改めるか〞を設計する局面です。


そして、原材料高に重なるのが人件費の上昇です。最低賃金(全国加重平均)は2015年度の798円から2025年度は1,121円へ。10年で+323円。直近でも上げ幅が大きく、「雇用コストの下限」が毎年更新されていく状況になっています。

さらに実態面でも賃上げは広がっています。経団連の集計では、大手の月例賃金(定昇等を含む)のアップ率が2023年3.99% から2024年5.58% へと上振れ。中小でも4%台が続くなど、賃上げが〝特別な対応〞から〝前提条件〞に変わりつつあります。

原材料は動く。
人件費は上がる。

その二重圧力のなかで、洋菓子店が守るべきは「良い商品を、良い状態で出し続ける」ための体力です。値上げは最後の手段ではなく、商品と店を守りながら続けていくための設計課題。

次ページ以降は、消費者アンケートから「値上げが受け止められる条件」と「選ばれ続ける理由」を整理し、価格改定を〝納得の形〞にする具体策を考えていきます。

「値上げ」主婦たちはどう感じている?購買の変化を徹底分析

主婦243人の声を追うと、まず起きるのは〝買い方の調整〞。来店頻度、点数、価格帯。

変化の形を分解し、店が取れる工夫に落とし込みます。


Q1.洋菓子店の価格についてあなたの本音に最も近いものを教えてください (n=243)

主婦の多数派は“納得派”か“調整派”

納得派:価値が見えれば受け入れる
調整派:予算内で回数・点数を調整
離脱派:上がらない店へ移りやすい

本音では離脱派は20%以下と少ない



実際の行動を聞いてみると…

Q2. 洋菓子店の価格が上がったことであなたの行動に変化はありましたか?(n=243)

本音では
“納得できれば買う”

行動では
“来店頻度を減らしたり、購入点数の調整”が目立つ

この結果に差が出たのは、値上げというより
“満足度と価格のバランス”が崩れた可能性がある。

「客離れ」より先に起きる、〝買い方の変化〞

Q1. の洋菓子店の価格に対しての本音のグラフを見ると、主婦243人の多くは値上げに対して現実的です。

「商品に納得できれば利用する」「好きなお店なら通い続けたい」と答えた価値が見えれば受け入れる納得派が56.0%。

さらに「回数や点数で調整しながら利用する」調整派が26.3% で、合わせて8割超が買う気持ちを残している層でした。

離脱派は17.7% と2割未満。少なくとも感情としては、「値上げ=もう行かない」ではありません。

ところが、行動(Q2)に目を移すと様子が変わります。最も目立つのが「来店頻度が減った(36.2%)」、次いで「購入点数が減った(23.0%)」つまり買いたい気持ちは残っているのに、現実には回数と点数が落ちていく。ここに、本音と行動のギャップがあります。

このギャップは、単なる家計の問題だけでは片づけられません。もちろん予算の上限はありますが、それなら「好きなお店なら受け入れる」という本音がもう少し行動に残ってもよさそうです。

そこで、このデータから立てたい仮説がひとつあります。
来店頻度で本音と行動に差が出るのは、価格に対する〝満足度〞に差が出てきたからかもしれない。

値上げを理解していても、「その価格で得られる満足」が以前と同じ、あるいはそれ以上でなければ、人は回数を減らします。逆に、満足が価格を上回っていれば、回数は落ちにくい。つまり、値上げ局面では「値上げしたかどうか」より、満足の強さが来店頻度を左右する。これが今回のデータが示す核心だと考えます。

さらに厄介なのは、満足の差は商品ごとに起きることです。点数が減るという結果は、「全部は買わないけど、これは買う」という選別が進んでいるサインでもあります。ここから先は、値上げの説明を厚くするより、満足の根拠をどこで作るかが勝負になります。

味・品質なのか、店ならではの個性なのか、ご褒美・手土産としての体裁なのか。満足のポイントが明確な店ほど、値上げ後も選ばれ続けるはずです。

次ページ以降では、この仮説をさらに紐解きます。値上げそのものへの理解はどれくらいあるのか、主婦は安さより納得を重視しているのか、そして〝満足〞の正体は何なのか。答えが見えれば、「値上げしても買われる」道筋はもっと具体になります。

値上げしても買われる理由 主婦の商品購入の判断基準 を読み解く

主婦が見ているのは、価格と満足のバランス、店ならではの個性、そして品質の信頼。

買われる条件を言語化し、価格設計に落とし込むヒントを整理します。


Q3.最近、洋菓子店の商品価格が上がっていることについて、あなたの考えに最も近いものを教えてください。(n=243)

原材料の高騰の理解も一定あり値上げの理由がわかれば「理解を示す層」が7 割強


Q4.洋菓子店で商品を選ぶときあなたが意識していることに近いものを教えてください(n=243)


勝負は「安いか」より「納得できるか」


[POINT]
主婦は安さ一辺倒を求めるのではなく、価格×満足のバランスで選ぶ。

値上げ局面ほど「買う理由」が明確な商品が強い。価格帯は“上下”より、役割で整理すると選ばれやすい。

主婦は「安さ」より満足度と納得感で判断する

「値上げは嫌われる」そう思いがちですが、Q3のグラフを見ると主婦の受け止めはもっと現実的です。

「原材料が上がっているので仕方がない( 35.0%)」「値上げの理由が分かれば納得できる( 21.4%)」「正直つらいが、好きなお店なら受け入れられる(18.1%)」を合計すると、約4人に3人( 74.5% )が値上げに〝理解の余地〞を示している。

値上げそのものが理由で一斉に離れる、という状況ではないことがはっきりします。しかもこの理解は、我慢やあきらめではなく、「上がるのは分かる」「好きな店なら応援したい」という前向きな感情も含んでいます。

だからこそ、店側が必要以上におびえるより、どう受け止められる形に整えるかに目を向けるべき局面です。

ただし、この〝理解〞は無条件ではありません。主婦が求めているのは「上がったけど仕方ない」で終わる話ではなく、買う瞬間に「この価格でも納得できる」と思える着地です。

ここで効いてくるのが、Q4で見えてくる購買判断の軸。洋菓子を選ぶときに重視されているのは「安さ」ではなく、納得と満足です。

「価格と満足感のバランスを見て選ぶ」が54.3% で過半数を占め、「少し高くても商品に納得できれば買う」も28.0%。合わせると8割超が、納得できるか/満足できるかを軸に判断していることになります。

つまり、値上げの波があるいま、消費者がいちばんシビアに見ているのは価格そのものではなく、その価格でどれだけ満足が返ってくるか。ここまでを8‒9P の仮説とつなげるなら、結論はより明確です。値上げに理解があっても、買い方が調整されるのは、結局「価格×満足」の釣り合いが毎回チェックされているから。

逆に言えば、満足が強い商品・店は、値上げ局面でも選ばれ続ける。今は〝安いから買う〞ではなく、〝納得できるから買う〞が主流の時代です。店側にできることはシンプルで、満足の根拠を「見える化」すること。

たとえば、こだわりや個性が伝わる打ち出し、買う理由が一目で分かる定番の強化、そして迷わず買える価格帯の受け皿づくり。

満足の根拠が明確になるほど、値上げは「高くなった」ではなく「それでもここで買う」に変わります。次ページでは、その「納得」「満足」が生まれる瞬間を具体化します。

主婦が「また買いたい!」と感じるのはどんなときか。満足感を押し上げる条件。値上げ後も選ばれるためのヒントを掘り下げます。

値上げしてもまた買いたいと選ばれる条件

値上げを受け止めてもらう鍵は、説明よりも「この店で買う理由」が揺らがないこと。

主婦243 人の回答から、値上げ後も〝また買いたい〞を決める条件を整理し、明日から見直せるポイントに落とし込みます。

Q5.もし洋菓子の価格が上がったとしても「また買いたい」と思えるのはどんな時ですか?(n=243)

選ばれる理由が残っていれば値上げは怖くない

・味・品質の納得感は守れているか?

・自分のお店で買う理由(個性)は一言で言えるか?

・手土産の体裁・満足感は十分か?

・小さめ・買い足しといった入口価格帯は残っているか?

〝店ならでは〞が、値上げを正当化する

値上げをするとき、つい「理由をどう説明するか」に意識が向きがちです。もちろん説明は大切です。

ただ、主婦243人の回答を見ると、値上げ後も買われ続ける条件はもっとシンプルでした。

第一に求められているのは「味・品質が落ちないこと(むしろ向上)」。値上げと同時に満足感が薄れると、「高くなったうえに前より微妙」という印象が残り、次の来店理由が弱くなります。

逆に、値上げ後も〝やっぱり美味しい〞が守れていれば、価格は納得の範囲に入りやすい。

次に大きいのが「店ならではの個性」。
定番の完成度、味の方向性、季節の表現、包装や手土産としての体裁など、〝ここで買う理由〞が明確なお店ほど、比較されにくくなります。

さらに「ご褒美・手土産の満足感」も重要で、見た目や選ぶ楽しさまで含めて「買ってよかった」が残るかが鍵です。値段よりも消費者の満足感が上回ることができれば、値上げは〝離れるきっかけ〞ではなく、〝選ぶ理由の再確認〞になります。

そして、値上げ局面で静かに効くのが「小さめサイズ/選びやすい価格帯」点数調整が起きやすい時期でも、「今日はこれだけ」「次はあれも」と関係が続く〝入口〞になります。

品質・個性・満足感・買いやすさを整えることが、値上げ後も選ばれる条件です。

[主婦特集]コスト上昇の現実と 主婦の購入傾向を分析

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