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ウクライナ危機でパン原価が崩壊寸前!?小麦価格1.5倍の衝撃

ウクライナ危機でパン原価が崩壊寸前!?小麦価格1.5倍の衝撃

ロシアのウクライナ侵攻によって、世界の小麦価格が過去にないレベルで高騰しています。その影響は日本のパン業界にも直撃。原材料費の高騰、輸送コストの増加、さらには円安のトリプルパンチ──。いまパン屋の経営に何が起きているのか?そしてどう対応すべきなのか?最新の情勢を整理します。

止まらぬ小麦高騰、その裏に「地政学リスク」

銃を構える兵士

2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻は、パン業界にとって“世界の小麦サプライチェーン”を揺るがす大事件となりました。

ウクライナとロシアは、世界全体の小麦輸出量の約30%を占める主要な穀倉地帯。この2国間の輸出が滞ることで、小麦市場は一気に供給不足に陥りました。そこに円安やエネルギー価格の高騰が重なり、日本が輸入に頼る小麦価格はこの3年で約1.5倍に跳ね上がったのです。

参考:

【キャノングローバル戦略研究所】ウクライナ侵攻は日本に食糧危機を起こすか

【東洋経済ONLINE】小麦ショック「17%値上げ」が招く深刻インパクト

原材料費の急騰、価格転嫁も限界へ

小麦粉

パンの主原料である小麦粉の価格上昇は、パン屋の原価を大きく押し上げています。大手メーカー・山崎製パンは2022年7月から一部商品で平均7.1%の値上げを実施。中小のベーカリーでも値上げを余儀なくされていますが、地域密着型の店舗では「価格転嫁が難しい」という声も少なくありません。

加えて、原材料は小麦だけではありません。バター、砂糖、牛乳など他の素材も同時に価格が上がっており、コスト構造全体が厳しさを増しています。

パン屋倒産、過去最多に──経営を圧迫する現実

悩んでいるパン屋オーナー

こうしたコスト高により、パン屋の倒産も増えています。2023年度には、パン製造小売業の倒産が37件(前年比+85%)と、統計開始以来最多となりました。特に個人経営や中小ベーカリーは体力勝負になりやすく、打撃をもろに受けています。

いま、パン業界にとって「仕入れを工夫する」「ロスを減らす」「新たな付加価値をつける」といった取り組みが急務となっています。

参考:

【株式会社 東京商工リサーチ】「パン屋さん」の倒産が急増し年度最多を更新

脱・輸入小麦!代替原料の模索と“国産回帰”の兆し

Made in JAPANマーク

この状況を受けて、注目されているのが「国産原料」へのシフトです。米粉パンや国産小麦、地元食材を使ったオリジナル商品など、輸入依存を減らしながら新しい付加価値を打ち出す取り組みが各地で進行中です。

また、政府も国産食材の利用を後押しする支援策を打ち出しており、「高いけど仕方ない」から「高くても売れるパンへ」の転換が求められています。

まとめ

ウクライナ危機がもたらした小麦価格の急騰は、パン業界のあらゆる前提を覆しつつあります。しかし、ピンチはチャンス。代替原料の模索や、無駄のないオペレーション体制づくり、さらには価格以上の“体験価値”の提供など、今こそベーカリーの底力が試されるタイミングと言えるでしょう。

【参照元URL】

【朝日新聞】ラーメンもパンも値上げ ウクライナ侵攻、日本の農業への影響は

【株式会社 東京商工リサーチ】「パン屋さん」の倒産が急増し年度最多を更新

【ツギノジダイ】輸入小麦の価格、なぜ値上げ?ロシアの侵攻で価格高騰 政府は価格据え置き

【東洋経済ONLINE】小麦ショック「17%値上げ」が招く深刻インパクト

【キャノングローバル戦略研究所】ウクライナ侵攻は日本に食糧危機を起こすか

ウクライナ危機でパン原価が崩壊寸前!?小麦価格1.5倍の衝撃

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