エピの歴史と魅力を探る

「麦の穂」のような美しいフォルムが特徴の「エピ」。
フランスパンの一種でありながら、ちぎりやすく食べやすい工夫が施され、独特の食感と風味を楽しめる逸品として世界中で愛されてきました。
本記事では、エピの起源と歴史、そしてシェフたちにも新たな発見があるような雑学を紹介します!
エピの起源と歴史

フランスパンの歴史は長く、現在の細長い形状が確立されたのは19世紀頃と言われています。
特に1920年代のフランスでは、労働法の改正によりパン職人が夜間に仕込みを行うことが制限され、短時間で焼ける細長いパンが誕生しました。
バゲットの人気が高まる中、食べやすさやシェアしやすさを考慮して派生したのが「エピ」です。
エピの製法と特徴

エピの製法はシンプルですが、パン職人の技術が試される部分が多くあります。
基本的にはバゲットと同じ生地を使い、長く成形したあとにナイフやハサミで切れ目を入れ、左右交互に倒すことで麦の穂のような形を作り出します。
この切れ目を均等に美しく入れることが、職人の腕の見せどころとなります。
焼成時にはしっかりと蒸気を加えることで、外側はパリッと、中はもっちりとした食感に仕上げることがポイントです。
また、現代ではベーコンやチーズを挟み込む「ベーコンエピ」などのアレンジが人気で、日本のパン業界でも定番のアイテムとなっています。
シンプルな素材だからこそ、自由な発想でアレンジができるのもエピの魅力と言えるでしょう。
エピの雑学~切れ目が大事!~

エピの形には、実は大切な理由があります。
切れ目を入れることで焼成時に火が均等に通り、外側の「クラスト」はパリッと、中の「クラム」はふんわりとした食感に仕上がります。
また、エピはナイフを使わずに手でちぎって食べられるため、フランスではピクニックや屋外での食事に適したパンとして親しまれています。
さらに、フランスのパン職人の間では「エピの切れ目の美しさが腕の証」とされ、職人技が試されるパンのひとつでもあります。
サクッとまとめ!
エピは「麦の穂」を模した見た目が特徴のフランスパンですが、それは、ただのデザインではありません。
食べやすさ、焼き加減、職人の腕の見せどころ——そのすべてが詰まった奥深いパンなのです。
この記事を通じて、パン業界の皆様にエピの魅力を再発見し、新たなインスピレーションを得ていただければ幸いです!