5分でわかる バターロール　～歴史・起源・雑学～

バターロールの起源と歴史

朝食や軽食として親しまれているバターロール。
その起源は19世紀末のヨーロッパ。
特にフランスやオーストリアでは、クロワッサンのようなバターたっぷりのパンが広まりつつありました。
しかし、バターロールのようなシンプルなロールパンが生まれたのは、イギリスが発祥という説が有力です。

イギリスのパン職人たちは、シンプルながらもふんわりとした食感とバターの香りが楽しめるパンを考案し、それが次第にアメリカへと広がりました。
1900年代初頭にはアメリカでも朝食用のパンとして定着し、戦後の日本にも伝わります。特に昭和30年代以降、日本の製パン技術が発展する中で、家庭の食卓に欠かせない存在となりました。

バターロールの製法と特徴

バターロールの美味しさを決めるポイントは、なんといっても生地の仕込みと巻き方です。
ふんわり感を出すためには、強力粉と薄力粉を適度にブレンドし、発酵の段階でしっかりとグルテンを形成することが重要です。

また、ロール状に巻く際には、外側はしっかり焼き色がつきつつ、内側はふんわりと焼き上がるよう工夫が求められます。
巻き方のコツとしては、生地を薄く伸ばし、端から軽くテンションをかけながら巻くことで、焼き上がりの層が均一になり、美しい仕上がりになります。

バターの香りを最大限に活かすためには、生地に直接練り込むだけでなく、焼成の際に表面にバターを塗る方法も効果的です。
これにより、焼き上がりの風味が格段にアップします。

バターロールの雑学～日本でさらに進化～

実は、日本のバターロールは海外のものとは少し異なる特徴を持っています。
戦後、日本のパン業界は海外のパンを参考にしながら独自の発展を遂げました。
その中で、「ふんわり柔らかく、ほんのり甘いバターロール」が日本独自の進化を遂げたのです。

さらに、昭和40年代には「バターロール成形機」も登場し、全国的に安定した品質で提供できるようになりました。
この技術革新によって、今ではコンビニやスーパーでも手軽に買える、日本ならではのバターロール文化が築かれています。