つい買ってしまうお店には理由がある

「買うつもりはなかったのに、気づいたらトレーにのせてた」
「あと1個で特典がつくなら、つい…」
こんな経験、ありませんか?
実はそれ、ちゃんと理由があります。
この記事では、パン屋さんでも使える“つい買いたくなる心理の仕組み”と、
実際の店づくりに活かせるヒントをご紹介します!
キーワードは「おまけ」と「得した気分」

🔍 ポイント①:返報性の原理(心理学)
人は「何かしてもらったら、お返ししたくなる」性質があります。
これを「返報性の原理」と呼びます。
たとえば:
試食をもらった → なんとなく買いたくなる
おまけのラスクが付いていた → 次もその店で買いたくなる
つまり、お客さまにちょっと得させる=“ありがとう”の気持ちが生まれるんです。
📚 出典:『影響力の武器』(ロバート・チャルディーニ著)
🔍 ポイント②:「無料」が人を動かす
「無料」の力は絶大です。
たとえば、100円引きより「無料おまけ」が付いた方が、“得した感”が大きく感じられるという実験結果もあります。
これは、人が損を嫌う生き物だから。
「なくなるもの」より「もらえるもの」のほうが、嬉しく感じるのです。
📚 出典:『予想どおりに不合理』(ダン・アリエリー著)
パン屋さんでできる!“つい買いたくなる”工夫いろいろ

✅「おまけ」で嬉しいサプライズを
・ラスク・クッキーなど、端材活用でコストを抑えた“感謝のおまけ”
・「◯円以上でプレゼント」形式にして購買単価を上げる工夫
・「新商品の試食付き」→ 次回来店への布石にも
✅「あとちょっと」で買いたくなる心理を活用
・スタンプカード(あと1つで特典!)
・「〇〇円でコーヒー無料」などのしきい値を設定
・「今月はこのパンを買うと特典がもらえます」など期間限定要素も◎
✅ POPで「損させない」安心感を出す
・「こちらのパンは“今月のおまけ”対象です!」
・「あと◯個で特典ゲット♪」など視覚的に伝える
・「お得なセットあります!」で“買って後悔させない”安心感を演出
番外編:「人は“理由”があると買いやすくなる」

もうひとつの心理的ポイントが、「理由があると納得しやすい」こと。
「今日は“パンの日”なので、おまけが付きます」
「このパン、初登場なのでぜひ味見してほしくて…」
など、“なぜそのサービスがあるのか”をちょっと説明すると、
お客さまの受け取り方がグッとポジティブになります。
まとめ:「ちょっと嬉しい」が“また来たくなる”につながる

おまけや試食って、利益にならないと思われがちですが――
それは“ただあげる”だけではもったいない。
ちょっとした心理テクニックと組み合わせれば、
お客さまの記憶に残り、次の購買につながる立派な「仕掛け」になります。
「この店、なんか好き」
その理由が“おまけの心”だったら、うれしいですよね。