みんなどうしてる? 職人のホンネ! ~製造編~ 原価率は どれくらい?1商品あたり 平均何個つくってる?

原価率は どれくらい?1商品あたり 平均何個つくってる?
パン屋さんの悩みや素朴な疑問をBAKE PORTの職人のホンネで日々調査中!
今回は製造オペレーションについて。自店はこうしているけど、他店はどうかな?
そんな疑問に答えます。
みなさんからのホンネの回答結果を分析しました。
今後の自店の製造オペレーションに少しでも役に立てられれば幸いです!
職人のホンネ!原価率はどれくらい?
お店全体として原価率をどのように捉えるかは、経営のリアルな指標になります。
お店の平均的な原価率と、それに対する感覚を答えていただきました。
原価率を下げるノウハウなど参考情報が盛りだくさんです。
◇Q1. 原価率は何%ですか?
その原価率に対してどのように感じていますか?(n=49)

◆原価率が低いと感じる店は仕入れ最適化が徹底
→業者比較・自前調達・材料の明確なこだわりなど、“ 仕入れの情報力”が体感値を下げている

◆パン屋が「普通」と感じる原価率の中心は 25~33%ゾーン
→この領域では「工夫次第で回る」という実感がある。
→パンカテゴリー(食事パン中心か、菓子パン中心か)によって体感差が発生

◆原価率が高いと感じる人の共通点
→ロスが許容できない運営方針の店は、たとえ原価が30%台前半でも“ 高い”と感じやすい。
→ロス削減など「守りの対応」が中心になり、攻めの新商品提案が難しくなる。

◆職人のノウハウ!原価率を下げるための工夫例!

<仕入れ工夫編>
・業者に頼り切らず自前調達しています
・複数の業者の比較をしています
・大量仕入れで価格を下げてもらう交渉
・材料の見直しを定期的にしている
<販売単価の工夫編>
・値上げしています
・材料のこだわりを明確にして販売単価を上げています
<ロス対策編>
・ロスを出さないためリベイクパンを増やす
・ロスを出さないよう少量ずつ販売
・ロスを減らすために詰め合わせ商品提供
<商品・ライナップの工夫編>
・高加水食パンやバゲット、カンパーニュ、クロワッサンなどを売れ筋にしている
・自家製のものを増やす
・生地の水分量を上げる
・原価率の高い商品と低い商品のバランスを調整
・原価率が低い商品が売れるように工夫
◆原価率は数字だけで語れない各店の運営哲学◆
ロス × 売れ筋カテゴリー × 仕入れ戦略
職人のホンネ!1商品あたり平均何個つくってる?
商品の種類を厳選して製造数を多くするのか、商品種類を豊富にすることで1商品の製造数を少なめにするのか、お店によって戦略が変わるはずです。
アンケート結果から店舗規模によって傾向が分かれることが判明しました。
◇Q2. 1商品の平均製造個数はだいたいどれくらいですか?適切だと思いますか?(n=45)

・小~中規模店の傾向
5~9個が“ 適切・普通”の最多ゾーン。
小規模店は“種類の多さ”と“ロス不安”が個数を抑え込む傾向。
・中~大規模店の傾向
主流は 10~19個。
売れ残りを恐れて少なくしがちという声もある一方、もっと売れるのに増やさないのは機会損失という改善意見も出ています。
・大規模店の傾向
20個以上大量につくる傾向。
規模が大きいほど、適正個数の基準は「売れる前提」で上方にシフト。
◆みんな「ロス vs チャンスロス」で揺れている

<ロス出したくない派>
衛生・廃棄のストレスが大きい
適切=ロスなしと思っている人が多い
<チャンスロス避けたい派>
大規模店は特に売り逃しを大きな損失ととらえる
新商品や季節商品は増産判断が難しい
◆適正個数は3つの軸で判断する!
POINT1:お店の規模(年商)
POINT2:商品数とオペレーション
POINT3:ロスとチャンスロスはどちらを重視するか
編集部のまとめ

原価率を●%にすべきや、1商品あたり●個製造すべきなど、「~すべき」という単純な答えはありません。
お店のオペレーション事情や体制はそれぞれです。
他店の動向や平均的な傾向はあくまで参考として、あなたのお店にとってベストなやり方を考えるきっかけになると嬉しいです。
