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パン職人の1日はなぜ長い? 現場から考える“働き方”

7割が「長い」と感じる労働時間。業界のリアルと今後の方向性

今回、全国のパン屋・菓子店に勤務する40名に「みんなの働き方しりたい!」というアンケートを実施しました。
その結果、1日の労働時間が10〜13時間以上という回答が大半を占め、7割が「長い」と感じていることが明らかになりました。

一方で「丁度いい」と感じる声も3割あり、現場では「パン作りに没頭する時間は苦にならない」という考え方も残っています。
しかし、理想の労働時間を問うと「8時間」と答える人が最多で、現実と理想のギャップがはっきりと浮かび上がりました。

n=40

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世代で異なる「長時間労働」への意識

職人歴を見ると、20年以上のベテラン層は「長時間は仕方ない」という受け止め方が多く、むしろ「仕事は生活の一部」として楽しんでいる様子もありました。

一方、5年未満の若手層からは「効率的に働きたい」「体力の限界前に仕事を終えたい」といった声が目立ちます。
これは世代間の価値観の違いだけでなく、人口減少・人材不足の時代における業界の課題を示しているとも言えるでしょう。

業界全体で取り組むべき「効率化」への工夫

アンケートの自由回答には、「仕込みの効率化」「早く帰れる体制づくり」といった具体的な希望も寄せられました。
近年は冷凍生地の活用や機械導入による省力化も進みつつあります。

例えば厚生労働省の調査によれば、日本の製造業全体でも労働時間は平均で年間約2,000時間に達しており、先進国の中でも長い傾向があります(OECD統計より)。
パン業界だけでなく、効率化は産業全体の課題となっています。

働き方改革を単なる「時短」と捉えるのではなく、「売上と品質を守りながら、いかに効率よく働くか」という視点での取り組みが必要です。

「働きたい気持ち」を守るための改革

長時間労働を「苦にならない」と答えた人の中には、パン作りそのものを「喜び」としている声もありました。
大切なのは、その気持ちが過酷な労働条件によって削がれてしまわないようにすることです。

シフト制の見直し、繁忙期の助っ人スタッフ活用、効率的な製造ラインづくり。
これらはすぐに実践できる「小さな改革」です。オーナーにとっては人材定着、スタッフにとっては働きやすさにつながる取り組みとなるでしょう。

まとめ

今回のアンケートから見えてきたのは、現実は長時間労働が当たり前だが、多くの人が理想は短時間勤務を望んでいるという矛盾です。

「働き方改革」という言葉に違和感を覚える人もいるかもしれませんが、それは決して「楽をする」という意味ではありません。
職人が健康で長く続けられる環境を整えることが、結果的にお客様へ美味しいパンを届け続ける力になるのではないでしょうか。

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