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複数店舗化の落とし穴と、成功するための5つの条件

複数店舗化の落とし穴と、成功するための5つの条件

「1店舗目が軌道に乗ったから、次は2号店を出そう」
そう考えるオーナーも多いですが、2店舗目こそ“経営の本当の勝負どころかもしれません。
この記事では、複数店舗化に挑んだことで赤字転落するケースの共通点と、拡大を成功させるために必要な5つの条件を紹介します。

2号店から苦しくなる?複数店舗化で陥りがちな失敗パターン

1店舗目がうまくいっても、2号店で一気にバランスが崩れることは珍しくありません。よくある失敗は以下の通りです。

• 人材不足:2店舗を任せられるスタッフが育っていない
• 資金ショート:改装費や機械投資で運転資金が枯渇
• 管理不全:オーナーの目が行き届かず、品質・接客が低下
• ブランドの分散:メニューやコンセプトのぶれによって常連客が離れる

特に、“勢いだけで物件を契約してしまった”というケースでは、開店直後から赤字が続くリスクが高まります。

拡大前に見極める!複数店舗化の5つの条件

以下の5項目は、複数店舗展開を成功させるために必要な基盤です。

① 1号店が“安定して黒字”である
→ 少なくとも半年以上、月次黒字+キャッシュ余力があるか?

② 店舗を任せられる“店長格”がいる
→ オーナー不在でも品質・接客が保てるスタッフが育っているか?

③ 製造や仕込みの“分散対応”ができる体制がある
→ セントラルキッチンを使う?それぞれで独立製造する?

④ 開店後3ヶ月の“赤字リスク”をカバーできる資金がある
→ 投資回収までの運転資金・仕入れ・人件費を見込めているか?

⑤ “拡大の目的”が明確である
→ 売上を伸ばすため?ブランド力強化?人材育成?目的によって戦略は異なる

この5つが揃って初めて、“無理のない拡大”がスタートできます。

2店舗目を成功させるためにやるべき準備とは?

出店前に取り組んでおきたい準備項目を考えてみましょう

• 標準化されたオペレーションマニュアルの整備
→ 1号店の“暗黙知”を明文化し、スタッフ間で共有できる状態に

• 仕込み・焼成スケジュールの最適化
→ セントラル化 or 店舗別運用の選択。冷凍・冷蔵の使い分けも検討

• バックヤード業務(発注・会計)の一元管理
→ クラウド管理やPOS連携で、経理・在庫状況の“見える化”を進める

• ブランドアイデンティティの言語化
→ 商品・接客・内装まで一貫した“らしさ”を共有できる状態に

2店舗目は「コピー」ではなく、「再設計」。
1号店と同じやり方が通用するとは限らないことを前提に、柔軟な対応が求められます。

拡大しないという選択も“正解”になり得る

1店舗経営でも十分な年商で十分な利益率という店舗も数多く存在します。
モバイルオーダー、通販、委託販売などを組み合わせることで、拡大せずに売上を伸ばす選択肢も増えています。

• 商品単価を上げる
• 商品回転率を上げる
• 顧客の来店頻度を上げる
• 外販チャネルを増やす

こうしたアプローチでも、“店舗数を増やさなくても成長できる”時代になっています。

まとめ

複数店舗化は、“成功の証”であると同時に、“失敗の引き金”にもなり得ます。
「なぜ出店するのか?」「何を守るための拡大か?」
その問いに明確な答えを持っているかが、拡大の可否を左右します。
自店にとって“幸せなかたち”を見失わないことこそ、最大の経営判断かもしれません。

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この記事を書いたライター

株式会社グロ―アップ編集部
加納 麻衣

インタビュー相手の魅力を発見するのが得意。
「どんな人にも物語がある!」をモットーに丁寧に伝えていきます。
小説を書くことが趣味

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