ラッキーと麦田の3分でわかる開業マニュアル vol.199

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資金繰りとは?

資金繰りって言葉
知ってる?



キャッシュフローのことね。



キャッシュフローも知らな
いでしょ。



お金の流れを知るってこと
よね。



まーそうなんだけど。
どこまで把握している?



んー。結局のところ、よく
わかってないんだよね。



入金と支払の内訳はみんな
理解してるかな?



入金が多ければ気にするこ
とはないのさ。
この記事を書いた専門家


株式会社グローアップ
石井 匠
信用金庫で8年間融資業務に従事
〇国家資格
・FP2級取得
・宅地建物取引士取得
・中小企業診断士勉強中
開業を志すパン屋・ケーキ屋にとって、「資金繰り」とは、店舗経営の“肝”となる現金の管理体制です。
売上や支払いのバランスを事前に見通し、日々の入出金が滞りなく回るようコントロールする能力を指します。


1.資金繰りとは?
店舗運営に必要な現金や預金を、支払期日までに確保しておくことが資金繰りの目的です。
利益が出ていても、現金が不足すれば「資金ショート」し、実際には倒産に至るケースもあります。
これは帳簿上の利益とは別問題であり、利益≠資金ではありません。
2.パン屋・ケーキ屋の特徴
これらの業態は「現金商売」が多く、客からの対価が即入金されます。
一方、家賃や仕入れ代の支払いは月末に集中する傾向があり、このギャップこそ資金繰りのリスクになります。
3.資金繰りが大事な理由
【黒字倒産の回避】
利益があっても資金が枯渇すれば営業継続できません。
【成長投資の判断材料】
新商品開発や設備投資に踏み切るには、余裕資金の把握が鍵です。
【金融機関・融資審査にも影響】
きちんと資金を管理している経営者は、信用が高まり融資も受けやすくなります。
4.日常業務での管理方法
①資金繰り表・日繰り表の作成
日ごとの売上・支出・残高を記録し、月末までの現金残高予測を立てます。過去の売上データを活用し、やや慎重な見方で売上を予測するのが堅実です。
②「入金を早く・支払を後に」する工夫
キャッシュレス決済(PayPay・QRコードなど)は、翌営業日入金対応のサービスを選べば現金とほぼ同等の資金回収力を持たせられます。
仕入れは取引条件を交渉し、支払いサイトを延ばす手もあります。
③在庫・発注の見直し
売れ残りや過剰在庫は現金凍結になるため、POSでの売れ筋分析→必要最小限を発注する方式が資金効率を高めます。
5.中長期の資金繰り対策
・無理な「安売り促進」は資金を一時的に回すものの、収益を削るため逆効果です。短期施策で済ませず、継続的な改善を積み重ねることが重要です。
・万一の資金不足時には、金融機関の相談や返済条件のリスケ(見直し)も選択肢になりますが、信頼維持のために事前準備が不可欠です。


まとめ
1.資金繰り=現金ベースで経営を回すチカラ
2.利益ではなく、現金残高を意識する
3.日・月単位の資金管理が安心につながる
4.入金サイトの短縮・支払猶予の確保が鍵
5.改善策は継続的な工夫をベースに
資金繰りは専門家さえ苦労する難題ですが、パン屋・ケーキ屋の経営を安定させるための基盤です。まずは「日繰り表」から始め、現金の出入りを可視化し、少しずつ体制を整えていきましょう。



資金繰りはちゃんと把握し
ないとね。



お金の管理が重要だね。



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