使い分けは何種類?パン屋62人の“こだわり分布図”

小麦粉の使い分け、皆さんのお店では何種類でしょうか。
今回、全国のパン屋さん62名に「小麦粉をどれくらい種類使っていますか?」とお聞きしたところ、最も多かったのは「4~6種類」(約39%)、次いで「7~10種類」(約27%)という結果でした。
つまり、半数以上のお店が4~10種類を使い分け、日々の商品ラインナップに合わせて絶妙なブレンドをしている実態が見えてきました。
一方で「1~3種類」と、あえて絞り込んでいるお店も2割弱ありました。
「種類が多いほど良い」とは一概に言えず、使い分けの幅はお店のコンセプトや規模、取引先との関係で大きく変わっているようです。

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「多品種派」の挑戦と苦労——それでも広げる理由
「もっと種類を増やしたい!」と答えた職人さんは、全体の4人に1人でした。
多品種派の声を集めると、「お客様の要望に応えたい」「新しい味に挑戦したい」といった前向きな理由が多く見られました。
一方で、種類が増えるほど在庫管理や保管スペースの確保、ロスを出さない仕入れ量の見極めなど、現場の負担は大きくなるのが現実です。
最近は国産小麦の人気も高まっており、同じ国産でも産地や農家によって個性が違うため、ブレンドの試作を繰り返すお店も増えています。
インターネット上でも、国産小麦専門の小ロット流通サービスが増えていますので、気になる方は探してみても良いかもしれません。
「なぜその小麦粉?」理由を分析!
今回のアンケートでは「現在の小麦粉を使う理由」についてもお聞きしました。
最も多かったキーワードは「長年使っている」「味が好き」「作りたいパンに必要」「国産」「差別化」などでした。
つまり、ただ値段が安いからではなく、「使い慣れた結果、これ以上のものはない」「この味でなければ店の看板商品が作れない」といった職人さんの強いこだわりが見えてきました。
一方で「会社指定」「仕入れルートの都合で」といった、現場の意志だけでは決められない事情を挙げる方もいました。
小麦粉選びは、経営の事情とも密接に関わる“お店の土台”だと改めて感じさせられる結果でした。

まとめ
多品種派にも絞り込み派にも、そこにはお店ごとの明確な理由がありました。
仕入れのバランスをどうするかは、商品の幅、保管、味、コスト、スタッフの習熟度——すべてを見直すヒントになるはずです。
ぜひ、自店の小麦粉リストを改めて見直しながら、「なぜこの小麦粉を使うのか?」を問い直してみてはいかがでしょうか。
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