高付加価値”戦略!「量より質」で利益を出すパン屋経営
大きな工房や大量生産設備はない。スタッフも自分ひとりか、数名。
そんな小規模パン屋でも、しっかり利益を出す店は存在します。
この記事では、「高くても買いたい」と思われるパンづくりを軸に、規模に頼らない“高付加価値型”経営の考え方と実践ポイントを紹介します。
“高付加価値”=高価格ではない!

まず、「付加価値」とは単に価格が高いことではありません。
パン1個に対して、「お客さまが感じる“体験的な価値”」が高いかどうかが鍵です。
例)
• 150円のあんぱん →「どこでも買える」
• 260円のあんぱん →「あの店の、あの小豆が楽しめる」
この違いは「価値」があるかないか。
材料、製法、ストーリー、接客、包装、環境…など、すべてが“価格に見合う納得”を構成する要素になります。
小規模店にこそ向いている「高付加価値」の3つの方向性

① 素材にこだわる
→ 例:北海道産小麦/国産有機あんこ/地域限定の旬食材など
→ 使う理由や生産者の背景も、価値に変わる
② 製法にこだわる
→ 長時間発酵、低温熟成、湯種、自家製酵母など
→ 手間をかける=他では真似できない“味”になる
③ ストーリーにこだわる
→ 地元とのつながり、家族で営む風景、パンに込めた想いなど
→ SNSやPOPで可視化することで“共感”を生む
特に小さな店では、これらがオーナーの個性と直結するため、ブランド化しやすいという強みがあります。
量を売らなくても利益が出る“設計”にする

高付加価値型のビジネスでは、以下のように「たくさん売らない前提」で収益設計を行います。
• 単価が高くても「納得して買ってもらえる」商品を中心に
• 点数よりも「客単価×リピート」で売上をつくる
• ロスが出にくいアイテム構成にする(冷凍対応・焼菓子・予約販売)
例)
1日に300個売るのではなく、100個を確実に売る構成で粗利を維持。
パン+スープ、パン+ドリンクなどセット提案で自然に客単価UPを狙う店も増えています。
「あなただけのパン屋」にすることで、選ばれる理由ができる

パン自体の価値だけでなく、店全体の世界観や空気感もまた“価値”です。
• 見た目が美しい/手提げ袋がかわいい/レジでひとこと声をかけてくれる
• 店内の音楽・照明・香り…五感を満たす空間設計
• SNSでの発信と実店舗の体験が一致している
これらはすべて、「このお店で買いたい」という“選ばれる理由”になります。
小さな店は細部まで目が行き届くからこそ、「世界観を丁寧に届けること」が差別化の最大武器になります。
まとめ
たくさん作れなくても、人を雇えなくても、「高くても買いたい」と思われるパン屋にはなれます。
そのためには、「価値の伝え方」「設計」「世界観」を丁寧に構築していくこと。
小さなパン屋の強みは、“他にはない一貫性と個性”にあります。
“量より質”の経営で、あなたらしいパン屋の形を育てていきましょう。
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この記事を書いたライター

株式会社グロ―アップ編集部
加納 麻衣
インタビュー相手の魅力を発見するのが得意。
「どんな人にも物語がある!」をモットーに丁寧に伝えていきます。
小説を書くことが趣味