洋菓子屋さんのお客様はいま何を求めている?消費者アンケートから読み解く購買傾向

洋菓子屋さんのお客様はいま何を求めている?
洋菓子好き消費者に洋菓子屋さんへの利用実態を尋ねてみました。
洋菓子屋さんはもちろんのこと、洋菓子好きもターゲットに店舗運営しているパン屋さんも大注目のアンケート結果です。
顧客ニーズからお店の経営の参考にしてくださいね。
<アンケート対象>
・年1回以上洋菓子屋を利用する洋菓子好きの消費者332名(女性200名、男性132名)
・調査実施日:2025年10月
・調査方法:インターネットリサーチ
・調査元:株式会社グローアップ
1回あたりの支払金額は2,000円以下が最多、日常シーンにも広がる購買行動

今回の調査によると、1回あたりの支出額で「2,000円以下」と答えた人が最多でした。
次いで「3,000円以下」「1,000円以下」と続き、全体の約6割が1回につき、2,000円以下で洋菓子屋さんを利用していることが判明しました。
この結果は、洋菓子屋さんの利用が「特別な日の贅沢」から「日常の楽しみ」へと拡大しているような価格帯といえるのではないでしょうか。
つまり、多くの消費者が「無理なく手の届く価格帯」で、“ちょっといいスイーツ”を選ぶようになっているのです
価格帯のボリュームゾーンが2,000円以下であることを踏まえると、
• 小箱入りの詰め合わせ(1,500〜2,000円前後)
• 2〜3種を組み合わせたカットケーキセット
• ワンハンドで食べられる焼き菓子+プリンなどの“組み合わせ提案”
といった、手軽に買える「プチ贅沢」価格設計が、最も支持を得やすいかもしれません。
利用目的のトップは「誕生日・記念日」の利用

洋菓子屋さんを利用する目的として最も多かったのは、「誕生日・記念日の利用」(63.6%)。
2位には「日常のおやつ・ご褒美としての利用」(63.0%)、3位に「手土産・差し入れ」(52.4%)が続いています。
このデータから見えてくるのは、洋菓子屋さんが“ハレとケ”の両立業態になっているという現実です。
記念日需要は依然として強く、ホールケーキやデコレーションケーキが主力である一方、
“日常のご褒美”としてカットケーキやプリンなどの単品需要も高まっています。
つまり、「年に数回の特別利用」+「月に数回の日常利用」という二層構造が主流といえるでしょう。
この二層にどうアプローチするかが、これからの洋菓子屋さん経営の鍵を握ります。
たとえば、
• 記念日需要には「予約・カスタマイズ対応」の強化
• 日常需要には「当日購入しやすいショーケース展開」
• 両方を橋渡しする「季節限定・イベント前後提案」
といった、シーン別の導線設計が有効だと言えるでしょう。
購入商品は「カットケーキ」が圧倒的首位

購入商品のランキングでは、「カットケーキ」が79.2%で圧倒的1位。
続いて「シュークリーム・エクレア」が58.7%、「焼き菓子」が47.6%と続いています。
この結果は、洋菓子屋において「個食スイーツ」が主流になっていることを示しているといえるでしょう。
ホールケーキよりも、その日の気分や人数に合わせて自由に選べる“小さな満足”が好まれているようです。
特に「シュークリーム」「エクレア」「プリン」「ゼリー」などは、幅広い年代に支持される定番商品です。
安定した売上を支える“回転力のある商材”として再評価が進んでいます。
一方で、「焼き菓子」はギフト需要を中心に根強い人気を保っているといえるでしょう。
カットケーキが日常需要を担い、焼き菓子が贈答需要を支えるという2本柱の構成が、売上の安定に寄与するでしょう
これからの洋菓子屋に求められる戦略

今回のデータから見えてくるのは、消費者が「特別」と「日常」の両方で洋菓子を楽しんでいるという事実です。誕生日などのハレの日に加え、仕事帰りや週末に買う“自分へのご褒美”というケーキ購入が定着しています。
洋菓子屋さんに求められているのは、その両方のニーズを一つの店内で満たす仕組みです。
• ハレの日導線:予約・デコレーションケーキ・メッセージカード
• ケの日導線:手軽に買えるカットケーキ・プリン・定番シュー
• 共通の提案軸:「贈っても嬉しい」「自分でも欲しい」ギフト訴求
特別感と日常性をバランスよく掛け合わせることで、来店頻度と客単価の両立が可能になるでしょう。
まとめ:洋菓子屋さんの未来は“日常の中の特別”にある
平均支出は2,000円以下、利用目的は「誕生日・記念日」と「日常のご褒美」が拮抗。
そして最も多く買われているのはカットケーキ。
これらのデータは、洋菓子がいま「非日常から日常へ」静かに浸透していることを示しています。
華やかさだけではなく、日常に寄り添う“等身大の特別感”をどう形にするか――。
それが、これからの洋菓子屋が生き残るための最大のテーマでしょう。
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この記事を書いたライター

株式会社グロ―アップ編集部
加納 麻衣
インタビュー相手の魅力を発見するのが得意。
「どんな人にも物語がある!」をモットーに丁寧に伝えていきます。
小説を書くことが趣味