ラッキーと麦田の3分でわかる開業マニュアル vol.225

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開業する季節はいつが良い？

この記事を書いた専門家

株式会社グローアップ
石井 匠

信用金庫で８年間融資業務に従事
〇国家資格
・FP2級取得
・宅地建物取引士取得
・中小企業診断士勉強中

パン屋・ケーキ屋さん向けに「開業する季節はいつが良い？ 」について解説します。

開業するうえで「いつオープンするか」は、集客や売上の立ち上がりに大きく影響します。
季節ごとの特徴を知り、自分のお店のコンセプトやターゲットと重ねながら最適なタイミングを選ぶことが大切です。

最もおすすめは“秋（9〜11月）”

多くのパン屋・菓子店にとって、秋は年間で最も開業しやすい季節です。

・気温が落ち着き、パン生地が扱いやすい
・食欲の秋で新規顧客が増えやすい
・ハロウィン、クリスマス準備などイベント需要が高まる
・夏の閑散期を越えて街の人流が戻る

特に初めての繁忙期となるクリスマス商戦までに店のオペレーションを整えられる点は大きなメリットです。

冬（12〜2月）は“菓子店向き”。ただし注意も

冬はケーキ屋さんにとって特別な季節。
クリスマスやバレンタインがあり、一気に売上を作れます。

ただし、12月開業は非常にハードルが高いです。
・初年度からクリスマスに対応する体制を作るのが難しい
・スタッフ教育が追いつかない
・設備納品や内装スケジュールがタイトになる

そのため、冬開業なら1月〜2月の落ち着いた時期に始める方が堅実です。

春（3〜5月）は“じわじわ固定客をつくる季節”

春は新生活で人の流れが変わるため、新しいお店への関心が高まる時期です。

・引っ越し、入学、転勤で新規顧客が増える
・過ごしやすい気候でパンの売れ行きが安定
・ゴールデンウィークで一時的に売上UPも

ただし、イベント需要が少ないため、ゆるやかな立ち上がりになります。
急激な売上を期待せず、丁寧に常連作りを進める季節といえます。

夏（6〜8月）は“避けた方が無難”。理由は明確

パン屋・ケーキ屋の開業で最も不利なのが夏です。

・気温や湿度が高く、製造環境が安定しない
・パンの売上が落ちる時期（特に7〜8月）
・アイス、冷菓需要が強く競合も多い
・工事、設備の遅延が出やすい（繁忙期のため）

もちろん「夏に強い商品設計（かき氷・冷菓・アイスメニュー）」がある店にとっては例外ですが、一般的なベーカリー・パティスリーは夏開業を避けるのが定石です。

まとめ ― 最適な季節は？

最もおすすめ： 秋（9〜11月）→食欲の秋・気候が安定・イベント前で軌道に乗りやすい

堅実な選択： 春（3〜5月）→新生活の流れで顧客獲得しやすい

ケーキ屋に適性： 冬（1〜2月）→繁忙期前に準備できる

避けたい： 夏（6〜8月）

季節の特徴を理解し、自店の強み・スケジュール・資金計画と照らし合わせて、もっとも成功しやすい開業タイミングを選びましょう。

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