パティスリー的な美意識をヴィエノワズリーに~リシェ 遠藤シェフに聞く~

パティスリー的な美意識をヴィエノワズリーに
華やかで思わず手にとってしまうヴィエノワズリーが強みのお店「ラ ブランジェ リシェ」の遠藤シェフに、ヴィエノワズリーのこだわりを伺いました。

華やかな見た目だけでない本質的な美味しさ
当店はヴィエノワズリーが商品ラインナップ70%を占めていて、来店客のほとんどがヴィエノワズリー目当てです。
インスタグラムで日々ヴィエノワズリーの動画や写真を発信しており、まずは買ってみたいと思って来店される方が多いです。なので、少々単価が高くてもあまり値段を気にせず購入される方が多いです。
お客様に価値が伝わるような工夫をしているつもりです。お客様に手にとってもらうきっかけになるように目を惹くようなヴィエノワズリーを作っていますが、小手先の流行りに振り回されていません。発酵と熟成の基本に忠実に、本質的なヴィエノワズリーの美味しさを追求している自負があります。

ヴィエノワズリーづくりで 最も重要なこと
ヴィエノワズリーをつくる上で最も大切にしているのは、層の美しさです。そのためにはバターと生地、それぞれの温度と硬さを適正にそろえる必要があります。ヨーロッパの82~84%脂肪分のバターを使っており、日本の一般的なバターより硬めで扱いづらいと思う人もいますが、層が出やすい利点があります。
生地を低温に設定し、バターは少し柔らかめで調整し、うまくリターダーで伸ばせるようにします。生地の厚さをそろえ、適格なサイズカットを行い、適正な発酵時間を守るという基本工程を大切にすることが最終的な美しさに直結します。また折り込み生地を作る際に出る端にあるカットロスも捨てずに活用しています。他のヴィエノワズリーの新商品の試作に活用することや、カリカリに焼いて砕いてヘーゼルナッツ等と合わせてフィリングにし、無駄にすることはありません。
パティスリーのエッセンスを反映した見た目

さまざまなモールド(型)を使い分け、デザインを変えています。パティスリーがよく活用するシリコンモールドもうまく活用すれば立体的な成形にすることができます。半円の型や長細い型、円柱の型など使うと、立体的な造形が生まれ、売場に並んだときも高さがあって存在感が増して、お客様に手に取ってもらいやすくなります。半円の型も重ね合わせれば球体のヴィエノワズリーをつくることだってできます。生地だけでなく、フィリングを型に入れて冷凍成形して、生地に埋め込んで焼成すると、フィリングの形が崩れずに焼成できるというテクニックも使っています。これらのテクニックや技法はパティスリーがよくやっているので、海外のパティスリーの情報などを仕入れながら取り入れています。また、近所のパティスリーとも交流があり、パンオショコラのショコラを作ってもらっています。パティスリー側からすると発酵を取り扱うブーランジェリーの技術に注目をしているようで、日々情報交換しています。ヴィエノワズリーのジャンルはブーランジェリーとパティスリー双方をグレードアップできるものだと思っています。
取材後記
はっと目を見張るような美しいヴエノワズリーの技巧に驚かされるのではないでしょうか。パン屋さんのみならずパティスリーの職人からも注目を集めているようです。美しいヴィエノワズリーを生み出すために、その裏側では試行錯誤し、日々勉強されている様子が取材から伝わってきました。
【取材&記事担当:加納】
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この記事を書いたライター

株式会社グロ―アップ編集部
加納 麻衣
インタビュー相手の魅力を発見するのが得意。
「どんな人にも物語がある!」をモットーに丁寧に伝えていきます。
小説を書くことが趣味
