フランス人が好きなパン、言える?

“パンの本場”といえば、やっぱりフランス。
でも実際のところ、フランスの人たちって、毎日どんなパンを食べていると思いますか?
「バゲット」?「クロワッサン」?
そのイメージ、間違いじゃないけれど、今のフランスでは意外なパンが人気になっていたりするんです。
本場の“売れ筋ランキング”をのぞいてみると、日本のパン屋でも参考になるヒントがいっぱい。
この記事では、フランスのパン事情から、明日から使えるヒントをピックアップしてご紹介します!
【データで見る】フランス人が選ぶ、好きなパンランキング

フランスの消費者メディア「60 Millions de Consommateurs」が実施したアンケートによると、もっとも支持されたパンは……
🥖 バゲット・トラディション(伝統的なバゲット)!
支持率はなんと41%。
特に40代以上の層に根強い人気があるようです。
次に人気だったのは
🥖 いわゆる一般的なバゲット(普通のバゲット)
こちらは45歳未満の若年層を中心に選ばれていました。
ほかに注目されたのは:
🥖全粒粉パン(pain complet)
🥖マルチグレインパン(雑穀入りパン)
🥖パン・ド・カンパーニュ(田舎パン)
🥖クロワッサンなどヴィエノワズリー系(ただし“朝食用”として)
逆に、人気が低かったのは…
🥲 グルテンフリーのパン
特定の健康ニーズを除けば、フランス人にはあまり選ばれていない様子。
出典 2023年4月17日 「Quel est le pain préféré des Français ?(フランス人が好きなパンはどれ?)」
なぜ「伝統的なバゲット」が支持されるの?

フランスのパン屋では、いわゆる“職人パン(Artisan)”の価値が高く評価されています。
特にバゲット・トラディションは、法律で添加物の使用が制限されており、
「粉・水・塩・イーストのみ」で丁寧に作られるのが特徴。
こうしたシンプルで誠実なパン作りが「信頼できる味」として支持されているんですね。
また、全粒粉や雑穀入りのパンが好まれているのも、“健康と満足感”の両立を求める人が増えているから。
「しっかり噛んで味わうパン」が、フランスでも注目されているようです。
日本のパン屋が学べることは?

✅「バゲット」にも“差別化の余地”あり
「うちもバゲットあるけど…売れてるとは言えない」という店、実は多いのでは?
→ フランス風に「トラディションバゲット」と名付けて、
製法や素材にこだわったものを1本しっかり打ち出すと、お客様の目が変わるかも。
例:
💡◯時間熟成の低温発酵
💡国産小麦100%
💡シンプルゆえに違いがわかるPOP解説付き
✅全粒粉・雑穀パンは“じわ売れ系”アイテムに
フランスでの人気も高く、健康志向の日本人にも受け入れられやすいのが全粒粉や雑穀を使ったハード系・カンパーニュ系のパン。
→ 派手さはないけど、「週に一度、買う人」が付きやすい。
→ パンの栄養や食物繊維の話題とセットでPOP掲示すれば、興味喚起にも。
✅“映え”より“納得”が売れるヒントに
ヴィエノワズリーやグルテンフリー系は、SNS映えしやすいけれど
“日常パン”としての支持は限定的。
→ トレンドよりも「毎日食べたい理由があるパン」を見直すと、
本当に必要とされるパンのヒントが見えてくる。
おわりに:「本場」のリアルは、静かに熱い

フランスのパン事情をのぞいてみると、そこには“伝統を守りながら進化するパン屋”の姿がありました。
飽きられない商品、信頼される味。
日本のパン屋さんにとっても、「原点に立ち返るきっかけ」になるかもしれません。
たまには、遠くフランスからヒントをもらってみませんか?
目新しさより、確かなおいしさを届けたいあなたに。