「その価格で本当にいい?」食パンの値付けを再考する

日常パンか、ご褒美パンか。二極化する食パン市場のリアル

食パン1斤の価格は、地域や店ごとに大きく異なります。
今回のアンケートでは、最も多い価格帯は351〜400円(25件)、次いで300円未満(21件)と日常消費型が過半数を占めました。
一方で、600円以上の高価格帯は7件にとどまるものの、その7件中5件が「よく売れている」と回答しており、価格差2倍でも成立する戦略が存在していることがわかります。

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「毎日食べてほしい」低価格帯の工夫
低価格帯(300円未満)では、「値上げせず、日常的に食べてもらう」という姿勢が目立ちます。
「種類は2種類。食パンだけは値上げせず、日々召し上がっていただきたい」(郊外店)
「予約制で確実に提供」
こうした店は、地域密着型で、常連客の継続購入を重視している傾向があります。
また、複数種類の用意や予約制など、日常利用を前提にした安定供給の工夫も見られました。
「素材と差別化」で勝負する高価格帯
一方、600円以上の高価格帯では「無添加」「国産小麦」「卵・乳不使用」「1.5斤」など、差別化が明確です。
「無添加、水を使わない、国産小麦、1.5斤」
「離乳食にも使えると訴求し、卵・乳不使用」
さらに、オリジナルジャムの提案や試食コーナーといった“プラスα体験”で付加価値を高めています。
高価格帯は単なる「高いパン」ではなく、ライフスタイル提案型商品として成立しているのが特徴です。
「価格だけではない」売れ行きの決め手
価格と売れ行きの関係を見ると、「値段が高い=売れない」わけではないことが明確に。
実際、400円以下でも売れ行きが普通にとどまる店もあれば、600円超で好調な店も。
違いは「伝え方」と「価値訴求」にあります。試食やPOP、製法や素材のストーリーを伝える取り組みが、価格に関係なく購買動機を高めていました。
また、全国的にも高級食パン専門店ブーム以降、「特別な日用パン」需要は根強く、SNSやECと連動した販売事例も増えています。

まとめ
食パン市場は「毎日食べる日常パン」と「ご褒美パン」の二極化が進んでいます。
●低価格帯は地域密着・常連重視
●高価格帯は素材・ストーリー訴求型
自店の立地・顧客層に合わせた戦略が、価格以上に売れ行きを左右する時代です。
👉 あなたの店の食パンは、どちらの方向で強みを出しますか?今回の記事が参考になれば幸いです。
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