お店が潰れそうになった時、パン屋は何を削ったのか

「もう無理かもしれない」その時、最初に手をつけたもの

「お店が潰れそうになったことはありますか?」そんなストレートな問いに、34名のパン屋さん・洋菓子屋さんが答えてくれました。
集計してまず見えてきたのは、潰れそうになったことがないと答えた人が、ほとんどいなかったという事実です。

売上減少、原材料高騰、人手不足、コロナ禍…。理由は違えど、多くの店が一度は「このまま続けていけるのか」と立ち止まっています。
そして、その瞬間に必ず迫られるのが、「何を削るか」という判断でした。

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最初に削られたのは「自分の取り分」だった
アンケートで最も多かったのは、「自分の給料を削った」「無給に近い状態になった」という回答です。
・生活費を最低限まで落とした
・貯金を切り崩して運転資金に回した
・「今は耐える時期」と自分に言い聞かせた
数字としては表れにくいものの、経営が苦しくなった時、最初に削られるのは“オーナー自身”という傾向がはっきり見えました。
中小企業庁のデータでも、小規模事業者ほど「役員報酬の調整」で資金繰りを保つケースが多いとされています。
※ただし、長期化すると心身の負担が大きくなる点は注意が必要です。
次に削られたのは「品目」と「やり方」
次に多かったのが、「商品数を減らした」「やらなくてもいい仕事をやめた」という声。
・回転の悪い商品を思い切ってカット
・仕込み工程が複雑なアイテムを外した
・イベント出店や無理な新商品開発を一旦ストップ
印象的だったのは、「売上を伸ばすために足すのではなく、続けるために“減らす”選択をした」というコメントが多かったことです。
実際、商品数を絞ることで
・廃棄が減った
・仕込みが安定した
・スタッフの負担が軽くなった
という声も見られました。
それでも、最後まで削られなかったもの
一方で、興味深かったのが「削らなかったもの」の存在です。
・看板商品だけは残した
・品質だけは落とさなかった
・常連さんとの関係を大切にした
アンケートから浮かび上がったのは、「全部は削らない」という判断でした。ある店主は「ここを削ったら、もう自分の店じゃなくなる気がした」と答えています。
数字的には非効率に見えても、店の芯だけは守る。
それが、結果的に立て直しにつながったケースも少なくありません。

まとめ
今回のアンケートから見えてきたのは、パン屋・菓子店が危機に直面した時、
☑まず自分を削り
☑次に仕事や商品を削り
☑それでも、店の芯だけは残す
という共通した流れでした。
「潰れそうになった=失敗」ではありません。むしろ多くの店が、一度ギリギリを経験してから、続く形を見つけています。
もし今、同じように不安を感じているなら。それは、あなただけではありません。
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