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【「Bis」鈴木さんの開業録 #4】 看板商品「どんぐり」に込めた、商品づくりと経営のバランス

【「Bis」鈴木さんの開業録 #4】 看板商品「どんぐり」に込めた、商品づくりと経営のバランス
Bis

2024年8月に豊島園に店を構えた
パティスリー「Bis(ビス)」

オーナーシェフ 鈴木貴之さん

オーナーシェフの鈴木貴之さんに開業までのお話や店舗のこだわり、商品のこだわりについて伺ってきました。

#1はこちらから

味、見た目、手間、価格、オペレーション。商品づくりには、理想と現実のバランスが常につきまとう。

パティスリー「Bis」の看板商品「どんぐりの焼き菓子」を軸に、鈴木さんが考えるBisの商品づくりを伺いました。

「看板商品は、どんぐりの焼き菓子とビスケットです」

Bisの看板商品について尋ねると「やっぱり、どんぐりの焼き菓子と、店名を入れたビスケットですね。」どんぐり型の焼き菓子は、見た目のインパクトもあり、ギフト需要も高い。だが、その発想は、最初から狙っていたものではなかった。


「前の職場で、栗の焼き菓子を“栗そっくり”に作っていたことがあって。そのままやるのも違うなと思って。」考え続ける中で、ふと浮かんだのが「どんぐり」だった。

「これでいけないかなって思って、型屋さんに相談しました。」簡単に形にできるものではなかったが、結果的に店の顔となる商品になった。

「材料より、作り方を大事にしています」

素材へのこだわりについて聞くと、少し意外な答えが返ってきた。

「特別な材料を使っている、という感じではないですね。」鈴木さんが重視しているのは、レシピや製法、温度管理といった“作り方”。

「同じ材料でも、仕込み方や温度で仕上がりが変わります。シンプルな素材でも、きちんと丁寧に作れば美味しくなる。そこを突き詰めていくタイプです。」

そんな鈴木シェフの積み重ねが、Bisの味を支えている。

「焼き菓子は、できるだけ比重を上げたかった」

商品構成については、開業前から明確なイメージがあった。

「できるだけ焼き菓子に寄せたい、とは考えていました。」

現状は、生菓子と焼き菓子がほぼ半々。売上も同じくらいの比率だという。「焼き菓子は、ギフトで使ってもらえることが多いですね。」

日常使いと贈答用。その両方を支える商品として、焼き菓子は重要な存在になっている。

「値上げは、正直すごく怖いです」

原材料高騰が続く中、価格設定は大きな課題だ。

「今のところ、大きな値上げはしていません。正直、怖くて」オープンの時点で、ある程度高めの価格設定にしていたこともあり、既存商品の単純な値上げは避けている。

「生クリームが上がったから値上げします、って言われても、お客さんも嫌ですよね」その代わり、新商品では価格を調整し、付加価値を明確に伝えるようにしている。

「手をかけたい気持ちと、効率の間で悩みます」

商品づくりで、今も悩み続けているテーマが手間をかけるところと効率の問題。

商品を突き詰めていくのと、現代の働き方に関する部分で鈴木シェフも頭を抱えている。

「本当は、もっともっと手をかけたいんです」だが、人手不足の時代、すべてに時間をかけるのは現実的ではない。

「簡単にしすぎると満足してもらえないし、自分でも納得できない。でも、かけすぎると回らない。」

だからこそ、見せ方や工程の組み方で工夫する。「どこを削るのか、効率化するのか。そのバランスは今も悩んでいるところです。」

まとめ

「無理をしないことも、続けるためには必要だと思います」理想を追いすぎず、現実から目を背けない。商品づくりも経営も、その積み重ねが店を支えていく。パティスリー「Bis」鈴木さんの開業録は、“続ける覚悟”の記録でもあった。

今回のBisの鈴木さんの記事4本は、成功談ではなく実例。考え、選び続けることで店は続いていく。これから開業を目指すパン屋・洋菓子屋にとって、今回お話を聞かせて頂いた、鈴木シェフのお話が何か指針になれば幸いです。

このシリーズの前の記事はこちら

SHOP DATA

■ 店名
 Bis(ビス)
■ 住所
  東京都練馬区春日町1-2-22
■ アクセス
  西武池袋線/都営大江戸線
 豊島園駅から徒歩4〜6分
■ 営業時間
 11:00〜19:00
■ 定休日
  火曜日・水曜日(不定休あり)

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