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サワードが拓くベーカリーの未来

サワードが拓くベーカリーの未来

サワードが拓くベーカリーの未来

ドイツ・ボッカー社が語る伝統と革新

サワード講習会が9/30に東京で、10/3に神戸で開催されました。
ドイツの老舗ボッカ―社のカロリーネ・テルベルガーさん、ジェイミー・ブラウンさんより、「サワード」がもたらす可能性をお話いただきました。

また東京会場ではパン工房ぐるぐるの栗原シェフに、神戸会場では森のベーカリー&カフェの西山シェフに、実際の「サワード」の活用事例をご紹介いただきました。

ボッカ―社 研究所マネージャー カロリーネ・ テルベルガーさん

伝統と革新を結ぶ 「サワード」という文化

発酵風味料「サワード」は単なる材料や製法ではなく、伝統と革新をつなぐ文化の架け橋です。
ドイツをはじめ、ヨーロッパで受け継がれてきた伝統をベースにしながら、日本の職人の独自性や、日本特有の多様なパン文化に新たな選択肢をもたらすと考えています。

我々ボッカ―社は、1908年にドイツのミンデンで創業し、サワードウの安定生産に関する世界初の特許を取得して以来、100年以上にわたり発酵研究を続けてきました。
スターター・粉末・液状・ペーストといった多様な形態を展開し、活性タイプと不活性タイプを組み合わせることで、オリジナリティと安定性を両立しています。
製造をするだけでなく、今回の講習会のように、サワードウの活用方法など技術的なサポートをしております。

品質向上と効率化― 現場に直結するメリット

「サワード」の効果は現場にさまざまなメリットを生み出します。
生地の伸展性が良くなること、しっとり感が増す効果、クロワッサン等の折り込み生地の縮み防止、香りや風味の向上、消費期限の延長、減塩効果など多岐にわたる品質向上と効率化が見込めます。

あれこれと説明するよりも実際に現場で使ってもらえれば違いはすぐ実感できると思います。
またパンだけでなく、ケーキやピザなど幅広く応用できるのも魅力です。

日本のベーカリーの課題への解決策の一助に

「サワード」は、人手不足や大量生産する競合の存在など試練がある町のパン屋さんにとって、簡便かつ高品質を両立できる原料として注目すべきでしょう。

日本の職人の皆さんは、どんな作業も丁寧で、細部へのこだわりをもっていることに感銘をうけました。
日本のベーカリー市場は新しい商品が生まれ多様で独自性があります。
一方で人手不足で悩み、手間をかけるのが難しいと苦しんでいるようにも見えます。
「サワード」がその課題解決の一助になると思います。

世界的潮流と新しい市場への挑戦

ドイツをはじめヨーロッパのベーカリー業界は職人が減少し、工業的な大量生産の傾向があります。
技術の進化により、スーパーや大手メーカーで品質の高いパンがつくられるようになっており、サワードウの価値は評価されています。
クリーンラベル=サワードウという評価が定着していて、添加物削減や健康志向の流れに合致しています。

ボッカ―社はグルテンフリーやビーガン市場にも挑戦していて、サワードウが持つ食感改良や風味向上の特製を活かして、次世代のパンや食品開発に取り組んでいます。
長い歴史とともに刻んできた伝統を継承しながら、新たなニーズに答えていく革新性を大切にしながらサワードウを広めていきたいです。

サワードシリーズ

ドイツのサワードウ(発酵種)メーカー「ボッカ―社」と「三菱商事ライフサイエンス」の技術提携から生まれた製パン・製菓用サワー種発酵液。
不活性にした商品のため手軽にご使用いただけます。

ボッカ―社ジェイミーの 実演レシピの一部を公開!

ボッカ―社  サワードウ製造技術/ 製パン技術者 ジェイミー・ ブラウンさん

トラディショナル バターケーキ

「サワードモイスト」によりふんわりさ、しっとりさを、さらに際立たせたドイツの伝統的な菓子パンです。

【配合】対粉%
<本捏>
準強力粉・・・・・100%
砂糖・・・・・・・12%
バター・・・・・・12%
全卵・・・・・・・20%
ダイヤイースト(生)・・4%
食塩・・・・・・・1%
牛乳・・・・・・・40%
サワードモイスト・・・・10%

<トッピング>
生アーモンドスライス
砂糖
生りんごスライス
生クリーム

【工程】
ミキシング L4ML4
捏上温度 24~26℃
フロアタイム 20分
分割 1400g(40×60㎝トレイ)

ホイロ 
32℃、85%RH、60分
生地に穴を開けバターを詰める
アーモンド、砂糖を振りかける

焼成 220→200℃スチーム、20分※生地重量、オーブンタイプにより異なる

ピザスナック

生地に「サワードDUOアロマティック」を配合して低温熟成することで小麦のうま味と穀物の香ばしい風味を強く感じられます。
ピザをスナック状にしたものです。

【配合】対粉%
<本捏>
準強力粉・・・・100%
ドライイースト・・0.5%
食塩・・・・・・1.65%
水・・・・・・・65%
サワードDUOアロマティック・・・7%

<トッピング>
トマトソース
モッツアレラチーズ

【工程】
ミキシング L3ML5
捏上温度 24~26℃
冷蔵 4~6℃、16~24時間
復温 30分

分割・成形
❶生地を長方形に伸ばす
❷トマトソースを塗り、モッツア レラチーズを散らす
❸半分に折り畳み、2~3㎝幅の 帯状にカット
❹ねじって、クッキングシートを 敷いた天板に乗せる

ホイロ 32℃、85%RH、45分
焼成 300/300℃、15分

「サワード」シリーズで 様々なパンにアレンジ可能

「サワード」が入ることで、工程の管理がしやすくなります。
発酵を管理していると今のタイミングじゃないとだめと厳密さが求められることも多いのですが、「サワード」が入っていることでそのタイミングに余裕が生まれます。
生地を仕込んでいる際、何か予期せぬトラブルなどでタイミングが多少ずれても調整できます。

たとえばこのバターケーキも、「サワードモイスト」が入っていなければ、どんどんボリュームが減りやすくなります。
「サワードモイスト」を生地内に入れることで、ふんわりさ、しっとりさがより際立っています。
バターケーキはドイツの伝統的な菓子パンです。
季節によって、トッピングするものをかえてバリエーションを出します。
他には、シナモンと砂糖を混ぜてみたり、ドライフルーツを乗せてみたりもします。

ピザスナックは伸ばした生地にトマトソースを塗って、モッツアレラチーズをちらして、折りたたんでカットしたものを捩じって成形して食べやすくしています。
低温熟成と「サワードDUOアロマティック」により小麦の旨味と穀物の香ばしい風味を感じられるようになっています。
「サワード」シリーズを様々なパンで試してみてほしいです。

パン工房ぐるぐる 栗原シェフの 実演レシピの一部を公開!

パン工房ぐるぐる オーナーシェフ 栗原 淳平さん

奥久慈卵の とろーりクリームパン

とろーりクリームを追求したぐるぐるの看板商品。
「サワードモイスト」を使用した冷蔵生地でしっとりソフトに仕上がる。

【配合】対粉%
<本捏>
強力粉・・・・・・・・100%
食塩・・・・・・・・・1.2%
上白糖・・・・・・・・18%
パンダイヤG-3・・・・0.2%
ダイヤイースト(生)・・4%
全卵・・・・・・・・・10%
生クリーム・・・・・・5%
サワードモイスト・・・5%
水・・・・・・45%
バター・・・・10%

【工程】
ミキシング L3 S8↓S5
捏上温度 26℃
フロアタイム 60分
分割 
冷蔵 −5℃
復温 16℃まで
成形 丸めなおし
ホイロ 220/210℃_8分

安定した品質で製造に 余力が生まれる

「サワード」を活用することで、製造が安定して、人員に余力が出て、新しいパンづくりに挑戦できると思います。

当店では、菓子パンや食パン、デニッシュまで、ほとんどの生地に「サワードモイスト」を使っています。
最初は「ちょっと試してみよう」くらいの気持ちで「サワードモイスト」をクリームパンに入れてみたら驚きました。
翌日でもしっとり感が続いて冷凍しても味が落ちないので、入れない理由がなくなりました。
クリームパンは看板商品なので全店舗と卸で一日に1500~1800個大量に製造するのですが、今ではどの店舗でも同じ品質で仕込めるようになりました。

また、イベント出店の際は、焼成したパンを前日に冷凍して持っていき、ゆっくり冷蔵解凍すれば焼きたてのときとほとんど変わりません。
「サワードモイスト」を使うことで、安定した品質と美味しさが作れ、それが働き手の安心と余裕につながります。
その結果、職人が他の新しい挑戦をしやすい環境になっています。

三菱商事ライフサイエンス からの提案 サワード宵種のすすめ

※小麦粉の種類、水の量、イースト量を変えることで特徴付けをすることが可能です

酵母発酵:製パン用イーストを使用することで安定化

乳酸菌発酵:不活性タイプのサワードを使用することで安定化

・酵母と乳酸菌のバランスを手軽に安定化
・乳酸菌の効果を安定的に高品質化
・複雑な香りと味を付与、しっとり感の向上

森のベーカリー&カフェ 西山シェフの 実演レシピの一部を公開!

ポケットファームどきどき 森のベーカリー&カフェ シェフ 西山 重明さん

チャバタ

チャバタ生地からさまざまな商品に展開できる汎用性がある。
「サワード」で味を整え、老化しづらくなっている。

【配合】対粉%
<本捏>
準強力粉・・・・・100%
食塩・・・・・・・2%
パンダイヤG-3・・・1%
ダイヤイーストVS(生)・・・2.5%
サワードディレクト25・・・2.5%
サワードライリキッド・・・2.5%
水・・・・・・70%

<パシナージュ>
EXバージンオリーブオイル・・4%
水・・・・・・・・・・・・・4%

【工程】
ミキシング L3 M6(パシナージュ)L1 M2
捏上温度 22℃
冷蔵 1℃冷蔵一晩

分割・成形 
手粉を振った台の上に番重を裏返して生地を出し、全体に手粉を振り、手前から棒状に分割する。
(断面を上下になるように返しながら分割)棒状に分割した生地を160g目安で分割し、布取り

ホイロ 30℃、75%RH、30分
焼成 230/220 ℃スチーム、15分

いい素材と自由な発想を 持つことが職人の技

「サワード」を入れると、伸展性が良くなり、味も整い老化しにくくなります。
今回作ったチャバタは冷蔵発酵で製造しています。
仕込みを前日に回して、翌朝の焼成に余裕を持つことができます。
温度管理をしっかりできれば0~1℃で数日生地を維持できるので、時間の融通がつきやすくなります。
お店が忙しいときにこのような生地があると助かると思います。
高加水の生地なので、少々ベタついた生地ですが、恐れずに扱ってみてください。
この水分量の多さこそチャバタらしい軽さと風味を生みます。
チャバタ生地から様々なパンに展開できる汎用性が魅力です。

今回はアレンジとしてソーセージを挟んでみました。
30年以上パン作りの現場に立って感じるのですが、正解が決まっているわけではありません。
毎回同じように仕込んで、同じ感覚を身体に覚えさせたうえで、いい素材と自由な発想を持つことが職人の技だと思います。
「サワード」や冷蔵発酵を活用して、効率化だけでなく、自分のペースで、おいしいパンを焼くための技術を磨き続けたいです。

商品に関する問い合わせ

・三菱商事ライフサイエンス株式会社
【パン東日本事業部】

03-6756-8506

【パン西日本事業部】

06-6150-2848

サワードが拓くベーカリーの未来

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