忙しい朝を乗り切る!製造効率を高める時短テクニック
パン屋の朝は早くて、しかも慌ただしい――。
仕込み、焼成、品出し、掃除、レジ開設…ひとつでも遅れると全体に響くのが“朝の時間”です。
この記事では、忙しい朝を効率よく乗り切るための、製造現場の時短テクニックと段取り改善法を紹介します。
少人数でも、ムダなく、遅れず。そんな朝の現場をつくるヒントが詰まっています。
まずは“前日準備”が9割。朝の仕込みを軽くする前倒し作業

朝を楽にするには、「その日の朝にやらないことを増やす」ことが鉄則です。
前日からできることは、意外とたくさんあります。
• 具材の仕込み・カット・計量 → 翌朝すぐ使える状態に
• 中種・液種などの発酵準備 → 冷蔵長時間発酵で朝の手間を減らす
• 焼き型や包材のセットアップ → 並べておくだけでも作業効率UP
• 焼成スケジュールの見直し&貼り出し → 5分刻みで行動が明確に
「朝に火を入れるだけ」「朝に並べるだけ」の状態をどれだけ作れるかが勝負です。
焼成順を“冷静に”再構成すれば、オーブン稼働率が上がる

朝のオーブン前は混乱のもと。
次のような点を見直すことで、焼成のスムーズさと仕上がりの安定が得られます。
• 焼成温度と時間が近いパンを連続投入できるよう並び替え
→ 同じ温度帯のパンをグループ化することで、温度設定のムダを削減
• 先に並べるパン=仕上げの早いパン
→ 食パンなど時間のかかるパンは奥から。小型パンや加熱済み惣菜パンは手前。
• “一番混み合う時間帯”を避けた焼成スケジュールに
→ 9時台がピークなら、そこは焼成よりも販売に人を回す設計を
「焼く順番」ではなく、「焼きながら動ける順番」に再設計すると、現場の流れが激変します。
道具と導線の“ストレスゼロ化”が作業スピードを底上げする

道具と導線の“ストレスゼロ化”が作業スピードを底上げする
朝は“数秒のロス”の積み重ねが命取りになります。
そのためには、作業環境の最適化が大きな効果を発揮します。
• 使う道具は“利き手側に、すぐ取れるように”配置
→ 右利きなら、スケッパー・スケール・スクレーパーを右手前にセット
• 冷蔵庫・作業台・オーブンの動線を最短距離に
→ “行って戻る”をなくすだけで、1日10分以上短縮可能
• 同時進行できる作業の“タイミング表”を可視化
→ 発酵待ち/焼成中にできることを固定化して、迷わない流れを作る
「忙しい」現場は、「設計されていない現場」と言い換えられるかもしれません。
1人分の戦力を生む「時間の使い方」ルールとは?

• 焼成中に“次の段取り”を2つ進める
→ 例:パンを焼いている間に、次の仕込みなど準備を同時に
• 朝の15分だけ“誰が何するか”を紙で貼り出す
→ 曖昧な共有より、文字にすることで迷いを減らす
あなたのお店の現場でこうしたほうがいいというやり方があるのであれば
それをルール化しておくのも大切です。
こうした小さなルールが、結果的に1人分の戦力”を生む時間の使い方につながります。
パン屋の朝は、ただでさえ早くて大変。
でも、段取りと導線、そして「何を朝にやらないか」を設計するだけで余裕が生まれてきます。
忙しいのは変わらなくても、“バタバタしない朝”は必ずつくれます。
一度、自店の朝の流れを見直してみませんか?
この記事を書いたライター

株式会社グロ―アップ編集部
加納 麻衣
インタビュー相手の魅力を発見するのが得意。
「どんな人にも物語がある!」をモットーに丁寧に伝えていきます。
小説を書くことが趣味