チャバタの歴史と魅力を探る

外はパリッと、中はもっちり。
オリーブオイルの香りがふわりと広がる「チャバタ」は、
今や日本のベーカリーでも定番となりつつある人気パン。
本記事では、チャバタの起源と歴史、そしてシェフたちにも新たな発見があるような雑学を紹介します!
チャバタの起源と歴史

チャバタって、実は“失敗”から生まれたパンなんです。
1980年代、イタリアのあるパン職人が「フランスのバゲットに負けない、イタリアらしいパンを作りたい」と試作を重ねていました。
そんなある日、うっかり生地に水を入れすぎてしまったのだとか。
普通のパンよりも水分が多すぎて、「これは失敗だ」と思ったその職人。
でも、せっかくだからと試しに焼いてみると…外はパリッ、中はもっちり。
そして中にはふんわりと大きな気泡が生まれていたのです。
その独特の食感が評判になり、このパンは「チャバタ(=スリッパ)」と名付けられました。
形がスリッパみたいだったからなんですね。
チャバタの製法と特徴

チャバタの最大の特徴は、非常に高い加水率にあります。
生地は水分をたっぷり含み、手で成形するのが難しいほどの柔らかさ。
そのため、ミキシングや発酵、成形には高度な技術と設備が求められます。
気泡を多く含んだ内層と、石窯焼成による香ばしいクラストのコントラストは、まさに職人技の結晶。
冷蔵長時間発酵やビガ種を使った製法も多く、製造工程の自由度が高いのも魅力です。
“スリッパ”なのに世界を歩く?──SNSで大バズリ!

チャバタはその後、イギリスやアメリカにも輸出され、特にサンドイッチ用パンとして人気を博しました。
日本でも2000年代以降、カフェやベーカリーでの採用が増加。
最近では「チャバタピザ」や「チャバタバーガー」など、アレンジメニューも登場しています。
ちなみに、チャバタの形がスリッパに似ていることから「踏んだら怒られるパン」としてSNSでネタにされることも。
見た目のユニークさも、愛される理由のひとつです。
サクッとまとめ!
チャバタは、イタリアのパン職人が“危機感”と“創意工夫”から生み出した、まさに逆境からのヒット商品です。
高加水生地というチャレンジングな素材を扱うことで、製パン技術の幅を広げるきっかけにもなります。
この記事を通じて、パン業界の皆様にチャバタの魅力を再発見し、新たなインスピレーションを得ていただければ幸いです!