「動物性原料なし」「グルテンフリー」——かつて“特別な人だけ”のイメージだったパンが、いまや“選ばれて食べるパン”に進化しています。
健康志向、多様な食習慣、アレルギー対策…。小さな個店こそ生かせる、フリーフロム商品のヒントを考えます。

「選択できるパン」が当たり前になる時代
“仕方なく”から“選んで買う”へ
ヴィーガン対応やグルテンフリーといえば、「制限のある人だけが食べるもの」というイメージが強かった時代もありました。
しかし、いまや「体調に合わせて週1だけグルテンフリーにする」「乳製品を控えたいからヴィーガンを選ぶ」という“選択するお客様”が増えています。
たとえば、
朝は軽くグルテンフリーの米粉パン
おやつは乳不使用のブリオッシュ風パン
など、“多様な日常”の中でパンを選んでもらえる機会は広がっているのです。

街のパン屋さんにできる「小さなフリーフロム」
大規模に専門ラインを持つのは難しくても、
卵・乳不使用のスコーン
グルテンフリー対応の米粉食パンを週末だけ販売
ヴィーガンマーガリンを使ったクロワッサン風
など、小ロットで始められる事例は増えています。
「すべてのパンが対応している必要はない」というのがポイント。
“ここに来れば選択肢がある”と知ってもらえれば、それだけで新しい客層の来店動機になります。
ECやイベントで試すのも一手

製造スペースやコンタミの問題で店頭販売が難しければ、委託製造の冷凍パンで通販から始めるという方法もあります。
ECで「フリーフロムお試しBOX」として、通常のパンと一緒に売っているお店も。
アレルギーや食習慣に寄り添うパンは、イベントやマルシェでも好反応を得やすいジャンルです。
まとめ:フリーフロムは“やさしさ”だけじゃない“選ばれる理由”
ヴィーガン・フリーフロム対応のパンは、いまや「仕方なく選ぶ代替品」ではなく、
“ここのパンは選べるからうれしい”という来店動機の一つです。
一度に大きく変える必要はありません。
“週1・1種から”でも、「多様性に応えるパン屋さん」として、地域で覚えてもらえる一歩になります。