「コメの値上がり」が、パンの食卓回帰を後押し?

家庭用米の価格がじわじわ上昇し、家庭の食卓にも変化の兆し。
「主食としてのパン」が改めて注目されるなか、食事パンの役割と可能性を見つめ直すチャンスがきています。米とパンが並ぶ今、パン屋ができることとは?
家庭の“主食”にパンが選ばれ始めている?

2024年〜2025年にかけて、米の価格は5年ぶりの高騰。天候不良や流通コスト増、政府の備蓄政策などが重なり、スーパーでの米販売価格も上昇しています。
こうした状況のなか、「毎食コメは高い」「パンで代用できる朝食を増やそう」といった家庭の声が聞かれるようになってきました。
実際、静岡県内では「米価格の上昇と比例するように、パン店の来店者が増えた」との声もあるほど(出典:https://www.at-s.com/snews/article/ats/1719467.html
「かなり苦しい」コメ高騰で需要が盛り返したか…“パンに注目”も店では原材料の高騰に苦悩つづく=静岡)。
“おやつパン”ではなく“ごはんとしてのパン”が求められている

この流れのなかで、注目されているのが「食事パン」。菓子パンや調理パンではなく、バゲット、山型食パン、カンパーニュなど、「ごはんの代わりになるパン」への期待が高まっています。
特に、「噛みごたえがある」「塩分控えめ」「おかずと一緒に食べやすい」といった特徴は、ごはんと似た立ち位置。
パンを副菜に合わせる提案や、パン+味噌汁のような“和×パン”のレシピは、いまこそ刺さるタイミングです。
「安くてうまい」だけじゃない、“主食としての質”を売る

価格だけを見れば、パンも材料費や光熱費の高騰で厳しい状況にあるのは事実。ただ、ここでの勝負は「単価」ではなく「満足感」。
たとえば、
“1枚で満腹感がある厚切り山食”
“家族4人でシェアしやすい大ぶりハードパン”
“朝・昼兼用になるボリュームサンド対応パン”
など、“1食をまかなえるパン”としての提案がカギとなります。
ポイントは、「家でのパンの使われ方」まで想像できるように売ること。焼き方POP、レシピ添え、試食など、小さな工夫で変わります。
まとめ:今だからこそ、“食卓の主役”になるパンを考える
コメが高い今だからこそ、「パンのある食卓」は広がりやすくなっています。
朝食だけでなく、“昼にも夜にも合うパン”を提案するチャンス。
そして、食事パンはただの“商品”ではなく、家庭の食生活を支える“選択肢”です。
米に代わるのではなく、米と並ぶもうひとつの“主食文化”として、今こそ食事パンを育てていきましょう。