折込生地から考える!FLコストとメリット①
食品業界をとりまく環境

現在、食品業界は人件費の高騰や人手不足、原材料費の上昇など、厳しい課題に直面しています。
これらの要因が重なることで、お店の利益率は年々低下傾向にあります。
こうした状況を改善するためには、まず商品にかかるコストを明確に把握し、的確な対策を講じることが欠かせません。
本記事では、商品ごとの大まかなコストと利益を「見える化」し、安定した利益を確保するための方法をご提案いたします。
今回ご紹介しているFLコストの算出方法は、一般的によく使われている手法のひとつです。
あくまで参考のひとつとしてご覧いただき、
実際の現場に合わせて、最適な方法をお選びください。
FLコストとは?

商品のコストと利益を見える化する手段のひとつに、「FLコスト」という考え方があります。
FLコストとは、原材料費(Food cost)と労務費(Labor cost)を合計したものを指します。
ここでいう「原材料費」は、商品の製造に必要な材料にかかる費用のこと。
「労務費」は、その商品をつくるためにかけた人件費のことです。
労務費を算出する際は、実際の時給に加えて、社会保険や福利厚生などの経費も含める必要があるため、
実際の時給に300~400円程度を上乗せして計算するのが一般的です。
冷凍生地のコストメリットについて(折込生地)
冷凍生地は価格が高く、コストメリットがないと考えられる事があります。
今回は、折り込み生地を例に、冷凍生地を使用するメリットとコストの比較についてお話をします。

図1では、
・お店で折込生地からクロワッサンを作った場合
・すでに折り込まれた冷凍生地を使った場合
それぞれの原材料費を比較しています。
原材料費だけを比べると、自家製生地のほうがコストを抑えられることがわかります。

次に、労務費を加味したコストについてです。
図2では、原材料費に加え、クロワッサン1個あたりにかかる労務費を上乗せし、FLコストで比較しています。
折込生地の仕込みは時間と手間がかかるため、その分労務費の割合が大きくなります。
一方、冷凍生地は手間のかかる折り込みの作業が不要のため、作業時間を大幅に短縮でき、労務費も抑えられます。
まとめ
実際にグラフを比較してみると、グラフの「差額」の分だけ冷凍生地にコストメリットがあることがわかります。
このように、FLコストの視点からみると、冷凍生地は原材料費+労務費のトータルコストを抑えられるアイテムだと言えます。
今回は、折込生地を例に「コスト面」から冷凍生地のメリットをご提案しました。
次回は、「時間の効率化」という観点から、さらに冷凍生地の活用メリットを深掘りしていきます!
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丸菱ホールディングス 商品統括本部
担当者:森本