今すぐベーカリーパートナーアプリをダウンロード

季節商品で売上UP お店の魅力&客単価UP

季節商品で売上UP お店の魅力&客単価UP

季節商品が売場にあることで、消費者の注目を集め、売上アップにつながるのではないか、その可能性を探る特集です。
お店によってどんな季節商品を提供するか、どのように販売促進するかは個性があるところでしょう。 消費者の声とお店の実例の紹介をします。

季節商品はついつい買ってしまい少々高くても気にしない人が多い

パン好き主婦にアンケートをすると、季節商品はついつい買ってしまい、比較的高単価でも気にならないということが判明しました。

【Q1】パン屋さんで季節限定の商品が販売されていたら買うと思いますか? (n=369)

パン屋さんでの季節商品の可能性大!

【Q2】季節限定商品なら、他の商品より少々、高単価だったとしても買いますか? (n=291)
Q1で季節限定の商品を「いつも買う」「たまに買う」と答えた人に追加アンケート

【Q3】 買ったことのある商品をすべて選んでください。(n=369)

季節商品は 客単価UP の大チャンス

月1回以上パン屋さんに行くパン好き主婦に、季節商品についてアンケートをとりました。

パン屋さんで季節限定の商品が販売されていたら、「いつも買うと思う」、「たまに買うと思う」と答えた方が約8割いました。 大多数のお客様にとって、季節限定の商品というのは気になるものです。
買われる確率が高いのなら、パン屋さんで季節限定商品を販売するメリットが大きいのではないでしょうか。

パン屋さんで季節限定の商品を買うと答えた人に、その季節限定商品が他の商品よりも少々高単価だったとしても買うかどうかを尋ねたところ、「気にせず買うと思う」、「買うことが多いと思う」と答えた人は約7割でした。
季節限定であるからには、多少高単価になる可能性があるということは想定内なのかもしれませんね。

また、「商品によって変わると思う」と答えた人は15.5%いました。
どんな季節商品かによって高単価であることの許容度が変わるのであれば、「この季節商品ならば買いたい」と思わせるほどの魅力を訴求できれば良いということになるでしょう。
お客様にとって季節限定の商品は気になる存在で、少々、高単価でも買ってみたいと思いやすい商品なのだと考え、販売促進していきましょう。

パン屋さんで高単価な冬の季節商品として、「シュトーレン」、「パネットーネ」、「ガレット・デ・ロワ」などがあげられます。
実際にパン好き主婦の購入経験を調べたところ、「シュトーレン」を購入したことがあると答えたのが41.7%でした。
ここ10年ほどで認知度が上がり、多くの店で「シュトーレン」が販売されるようになりましたね。 「パネットーネ」や「ガレット・デ・ロワ」も「シュトーレン」と同じように消費者の認知度が高まれば、今後、購入する人が増えていくかもしれません。

また、この店のシュトーレンが、パネットーネが、ガレット・デ・ロワが、食べたいとファンになれば毎年購入してくれるようになるでしょう。

季節商品でお客様を喜ばせ売上アップ、再来店へ

身近な商品から季節性を取り入れて季節商品をつくることが可能です。 季節商品がお客様の再来店のきっかけになるという実例を紹介します。

●季節商品の方向性は…

〇形の工夫
そのシーズンのイベントの象徴となるような形をパンで表現してみる
・クリスマスならクリスマスツリーやサンタやトナカイなど 
・正月なら干支 ・子どもの日ならこいのぼり
・ハロウィンならおばけやジャックオーランタン

〇素材の工夫
季節の旬な材料を活用してみる
・バレンタインはチョコレート
・春は桜あん
・夏はレモン
・秋は栗、かぼちゃ、きのこ

〇通常のパン以外のアイテム
目新しいアイテムを商品として出してみる

・シュトーレン
・パネットーネ
・ガレット・デ・ロワ
・ケーキ
・焼き菓子

◆季節商品は少しの工夫からスタート可能
◆商品開発のハードルを上げすぎないでOK

少しの工夫でできる 季節商品開発&販促

季節商品は少しの工夫でつくることができます。
たとえば、そのシーズンのイベントの象徴となるような形をパンの形に取り入れても良いでしょう。
また季節の素材を生地に練りこんだり、包餡したり、トッピングしたりしてみましょう。

パン以外のアイテムで目を惹くというのも良いですね。季節商品自体が売場の中で目新しいものなので、お客様の関心を寄せやすいです。
POPや看板など店内販促物を充実させるのはもちろんのこと、SNSを活用すると来店のきっかけにつながるでしょう。

季節商品は贈り物需要に応えられることもあるので包装やラッピングの工夫をしてはどうでしょうか。
ベーカリーハウス・マイでは季節のフェア期間に変化させることや、お客様を楽しませる工夫をしているようです。
トーホーベーカリーでは目を惹く工夫や宣伝を丁寧にすることと、事前準備を大切にしているようです。

ベーカリーハウス・マイ

ベーカリーハウス・マイ
取締役副社長 関根 大介さん

シュトーレンは時期によってフレーバーが変わる

■季節限定商品販売の工夫
シーズンごとの季節のフェアは、シーズンの前半と後半で提供する商品が変わることがあります。
シュトーレンはスタンダードなシュトーレンを出し、そのあとマロンやショコラのアレンジも加え、さまざまな味わいを楽しんでいただいています。

ベーカリーハウス・マイのインスタグラム で季節商品を紹介している例

■季節のフェア中に変化を
季節の移り変わりを楽しんでいただけるよう、季節限定の商品を多くご用意しています。
お店を訪れるお客様に新しい発見や刺激を感じてもらい、また足を運びたいと思っていただけることを目指しています。
当店は90%以上がリピートや常連のお客様です。
お店のスタッフよりもお店のパンを食べていることもあります。
なので、そんなお客様に満足いただけるよう工夫しています。

トーホーベーカリー

トーホーベーカリー
オーナーシェフ 松井 成和さん

新年の干支のパンの例(辰年)

■目を惹く工夫
正月は干支のパンを製造します。2024年の辰年は辰の形を模したパンや、辰の絵が浮かび上がるようなパンをつくりました。 バレンタインシーズンはパンだけでなくチョコレートの販売をします。バレンタイン用の箱など用意しておくと、より売れやすいです。

チョコレートフェア&バレンタイン

■季節商品の販促の工夫
事前に準備して宣伝しておくのが大事だと思います。 宣伝を目にしたお客様がそのタイミングで購入するかどうかを決めてなくても、何度か目にして、あ、そういえばと思いだして購入してくれることがあります。

シェフの情熱が伝わり売上アップとファン化へ シュトーレン、パネットーネ、ガレット・デ・ロワ

シュトーレン、パネットーネ、ガレット・デ・ロワに力を入れているお店の実例をご紹介します。
シェフの情熱が売上につながるようです。

ブーランジェリースドウ

ブーランジェリースドウ
オーナーシェフ 須藤 秀男さん

厳選素材にくちどけと風味が格別のシュトーレン

【シュトーレン [和み]】
・よもぎ生地の和風シュトーレン
甘みと香り豊かなスペイン産のマジパンとよもぎ、北海道産の生クリーム、和三盆を生地に練り込み、北海道産の大納言、うぐいす豆、クルミ、餅米のパフ、甘くて香り良いスペイン産の最高級マルコナ種のアーモンド、甘い大粒のイタリアピエモンテ産のヘーゼルナッツが入っている。
北海道産の澄ましバターをたっぷりしみ込ませて、きな粉で仕上げている。

【シュトーレン [プレーン]】
・くちどけと風味が格別のシュトーレン
半年以上ラム酒に漬け込んだ自家製のドライフルーツと甘みと香り豊かなスペイン産のマジパン、ローストした甘くて香ばしいスペイン産最高品種のマルコナアーモンド、大粒で甘いイタリアピエモンテ産の最高級ヘーゼルナッツ、クルミを生地に練り込み、北海道産の澄ましバターをたっぷりしみ込ませて1つ1つ丁寧に仕上げている。

【須藤シェフのコメント】
シュトーレンコンテストで優勝したシュトーレンで毎年ご好評いただいております。
厳選した食材を使うのはもちろんのこと、1つ1つの食材の下処理や、生地の焼き時間、バターのしみ込ませ具合など、こだわりが盛り沢山のシュトーレンです。
「和み」はよもぎの香りに香ばしいナッツと大納言、うぐいす豆の和風の食材がとてもよく合います。
口溶けのいい生地で、和菓子を食べているかのような味わいです。

●製造数・販売実績
2,700個(プレーン、和みあわせて)

●値段
1個4,644円

TAK BAGERI MEL

TAK BAGERI MEL
オーナーシェフ 上原 力さん

季節によってフレーバーが変わる パネットーネ

商品の特徴】
本場イタリアの伝統的なレシピに基づきながら、独自のアプローチで仕上げられた逸品。
自然酵母のみを使用し、酵母の管理や発酵工程に細心の注意を払いふっくらとした食感と深い風味を実現しています。 パネットーネは年中、販売しており、定番の「クラシコ」(オレンジとレーズン)や「チョコレート」に加え、抹茶やピスタチオとイチゴ、栗など、季節の素材を活かした限定フレーバーも人気を集めています。

【上原シェフのコメント】
本場のレシピでつくられたパネットーネを食べて感銘をうけて、職人としての興味が湧き、パネットーネづくりが始まりました。 奥深さや難しさに魅了されています。 パネットーネの国内コンテストに優勝して世界大会に挑戦したことなどでお客様の反響をより感じています。お店の顔になる商品かなと思います。

●製造数・販売実績
1年間で1,000個

●値段
1個4,800円

パリジーノ&アトリエドゥママン

パリジーノ&アトリエドゥママン
シェフ 今西 克彦さん

エアリーでくちどけが良いガレット・デ・ロワ

商品の特徴】
エアリーでくちどけが良いのが特徴で何枚でも食べられるようなパイ生地です。
パイ生地は強力粉を多めに使い軽い口当たりを実現し、油っぽさを感じないようにしています。
アーモンドクリームはイタリア産ビターアーモンドを使用し、特徴的な香りと味を追求しています。

【今西シェフのコメント】
7年前から販売スタートしましたが、初年度は50台ほどの販売でした。
現在は1シーズンで1000台を超える予約が入ります。
ガレット・デ・ロワの認知度が少しずつ上がり、ガレット・デ・ロワのコンテストで優勝したことや、ガレット・デ・ロワを広める活動をしてきたおかげもあるのかなと思います。

●製造数・販売実績
1,000 台を超える見込み(店舗での販売、卸販売含む)

●値段
1台あたり4,000円 〜 5,000円

お店の売上をけん引する 代表的な季節商品

「このお店ならば、この季節商品が有名でしょう」となる売りの商品はお店の売上を大きくけん引します。
ブーランジェリースドウのシュトーレン、パリジーノ&アトリエドゥママンのガレット・デ・ロワ、タックバゲリメルのパネットーネについてそれぞれお話をうかがいました。

シェフの情熱がこめられた商品というものは、それだけお客様の興味を惹きやすいのでしょう。
販売がスタートしたときは、そこまで販売数が多くなかったとしても、実際に購入されたお客様が、商品の確かな美味しさからリピーターになっていき、またコンテスト受賞などでより広く認知されると、より販売数が増えるのかもしれません。

シェフの技術と情熱が体現された代表的な季節商品があるようであれば、それを売りにしても良いでしょう。
お店の顔や看板商品になる力強い季節商があれば、お店のファン化にもつながり安定した売り上げにつながっていくでしょう。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!